9月1日の「防災の日」は、非常用袋や自宅のストックを確かめる良い機会ですが、そもそもどれくらいストックすればいいのでしょうか。今ある分で足りるのでしょうか(文中価格はすべて税込み)。
水や食料が「1週間分」必要と言われている
災害時に備え、水や食料は最低でも3日分、できれば1週間分用意しておくと良いと言われています(内閣府)。
なぜなら、過去の例では、ライフラインが復旧するまでには1週間以上かかるケースがほとんどだからです。
また、しばらくは災害支援物資が届かないこと、店舗の食品が品切れになり手に入らないことが考えられるため、手元に水や食料を備えておく必要があります。
1週間分用意するといくらかかる?
水と食料、調理に使うカセットボンベ、さらには缶詰やレトルト食品を1週間分備えると、1人あたりいくらぐらいかかるのでしょうか。
まず「水」は、飲料水と調理用水で1人1日3リットル必要なので、1週間で21リットル。大手通販サイトでミネラルウォーターは1リットルあたり62円でしたので、約1,300円かかります。このほか、湯せん、食品や食器を洗う水は別に必要です。
ミネラルウォーターでなくとも、水道水でも、給水されている間に涼しい場所に保管しておけば、3日程度は飲料水として使えるそうです。
次に「米」は1週間で1人あたり2㎏必要です。ある無洗米の価格は2㎏で1,588円でしたが、2024年8月現在、米は都市圏では品薄になっており、スーパーの棚から消えています。こうした事態も考えられるため、ある程度備蓄しておく必要があるでしょう。
また、米ではなく、カップ麺や乾麺(そうめんやパスタなど)も用意しておくとよいでしょう。そうめんなら1食あたり100g程度、パスタなら1食あたり150g程度が目安です。
調理などに必要なガスボンベは、1週間で1人あたり約6本必要です。大手通販サイトの価格を参考にしたところ、あるガスボンベは6本で2,070円でした。
水と米、ガスボンベのほかに、缶詰(177円×9缶)やレトルト(カレー134円×9個、パスタソース114円×3個)も備えると、1人あたり8,101円かかるという結果になりました。
災害時の食料はローリングストックで備える
災害時用の水や食料、ガスボンベは、普段の食品を多めに買っておき、使いながら買い足していく「ローリングストック」で備えるよいでしょう。
ストックだからと使わずに置いておくと、「いつのまにか消費期限が過ぎてしまった」ということになりかねません。
少なくとも1年に1回、防災の日に自宅のストックが足りているか、消費期限が切れていないかを確かめるようにしておくとよいでしょう。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部