8月上旬の大きな株価下落は、多くの初心者にとって大きな試練となったかもしれないが、こういうときこそ、投資の基本に立ち返ったほうがいい。これからの投資判断のために、次の4つの材料に注目してみよう。投資経験者にとっても、基本を確かめることは有用なはずだ。
注目すべき材料1「株価チャート」──直近、極端な株価上昇がないか?
投資家なら誰もが見る「株価チャート」では、直近の株価が極端に上昇していないか確かめよう。さらに株価の動きとSNSの様子も照らし合わせるとよいだろう。
SNSで話題になった株や、直近で急激に株価が上昇した株は、短期的な注目を集めているだけでその後に株価が大きく下落する可能性も高い。
たとえば、ずっと話題になっているテーマにAIや半導体があるが、このような注目度の高い株が長期投資に向いているとは限らない。なぜなら、ブームになっている時点で株価が高くなってしまっているかもしれない。
注目すべき材料2「配当利回り」――目安は2%超え
長期投資を考えるなら、投資対象としては配当が高い企業、配当を出し続けている企業がよく、利回りの基準は、日経平均株価の平均配当利回りである「約2%」とするとよいだろう。
たとえば、製薬会社の武田薬品工業 <4502> やタバコのJT <2914> などは、個人投資家からも高配当銘柄として人気だ。配当利回りは投資情報サイトの株価情報欄から確認することができる。
注目すべき材料3「自己資本比率」──目安は50%、数値が高いほど財務が健全
高い配当を出していても、続くかどうか心配なら、「自己資本比率」を見よう。これは、企業がどれだけ自分の資本で事業を運営しているかを示す割合で、これが高いほど財務的に健全とされ、一般に50%以上なら「非常に健全」で、安定した経営が期待できる。
以下、30%〜40%が「平均的」な水準で、30%以下なら「負債が多い可能性」があり、リスクが高いのでやめたほうがいいかもしれない。
ただしこれはあくまで目安の一つであり、業界によって基準は異なる。同業他社と比べるなどしてみよう。
注目すべき材料4 「企業業績(売上高・利益)」──少なくとも過去5年はチェック
企業業績の中でも、売上高と利益はしっかり確かめる必要があり、最低でも過去5年分の業績推移と決算発表時の会社予想を確かめよう。
業績推移は企業ウェブサイトのIRページ、決算短信や有価証券報告書、投資情報サイトから確かめられる。
NISAの株式投資では、少なくともこれら4つの材料のチェックをしよう。最初は大変でも続けることで、少しずつ自分なりの見方ができるはずだ。
文/編集・dメニューマネー編集部