2024年6月から、給与天引きされる税金に対して「定額減税」の控除が始まり、その額は1人あたり4万円。夫婦と子供1人の3人家族なら計12万円になります(4万円の内訳は所得税3万円、住民税1万円)。ここで増えた手取りを“なんとなく”使ってしまってはもったいないので、有効活用しましょう。
使い道1 緊急予備資金としてプールしておく
いざというときのための予備資金として、生活費の半年分を準備すべきといわれています。
もし十分な備えがないと感じているなら、この機会に定額減税分を予備資金の一部として蓄えておきましょう。予備資金は、出し入れがしやすい定期預金などで備えるのが適しています。
使い道2 ローンの返済に充てる
定額減税は、カードローンやクレジットカードの分割払いなどの返済に充てるのも有効です。
カードローンやクレジットカードの分割払いでは、都合の良いタイミングで残債の一部または全額を返済できます。ただし、臨時返済の条件は金融機関によって異なるため、確認が必要です。
返済のお金はローンの元金に充てられるため、臨時の返済には利息を減らす効果があります。複数のローンがある場合、金利の高いものから返済すると効果的です。
使い道3 NISAの成長投資枠で資産運用
定額減税で増えた手取りはNISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠で運用すると、子供の教育費の準備などの助けになります。
NISAの成長投資枠は年間の限度額の範囲なら、積み立ても一括購入もできるため、臨時収入の使い道として便利です。投資信託であれば金額を指定して買えるので、回せる金額が少額でも無理なく投資できます。
使い道4 ふるさと納税の寄附金に
ふるさと納税の寄附金に定額減税分を充てると返礼品がもらえ、家計の助けになります。
ふるさと納税は寄附をした翌年に2,000円を超える部分が所得税や住民税から控除される、「先払い」の仕組みです。そのため、まとまったお金を寄附すると家計が苦しくなるケースも考えられます。定額減税で増えた手取りを活用するのもひとつの方法でしょう。
会社員や公務員の定額減税は、天引きされる税金から減税分が差し引かれる方式のため、人によっては減税に気づかない可能性もあります。定額減税をムダにしないためには、世帯ごとにいくら減税されるかを確認し、その分を何に使うかを決めることが大切です。
なお、自営業やフリーランスの場合は、住民税は2024年6月の第1期分から自動的に減税分が控除され、所得税は確定申告によって控除を受ける仕組みです。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部