新NISAで今年から投資を始めた人にとって、最近の下落で心を大きく乱されたかもしれないが、そんなときこそ、個人投資家が取りたい“心が乱されない”ための3つの対応がある。
対応1 “長期”の株式チャートを眺める
相場急落時こそ長期チャートを眺め、相場の急落が一時的であることを思い返すことが大事だ。長期なら、株式投資やつみたて投資が有効なことはたしかだと分かるはずだ。
たとえば日経平均の2000年以降のチャートをみれば、株式市場は基本的に上昇と下落を繰り返しながら上がっており、大きなショックによる株価の調整でも長くても2〜3年で戻していることが分かるだろう。
どうしても怖い場合、新規の投資額を減らすことも有効だ。しかし投資済みのNISA(つみたて投資枠)を売却するのはチャートを見てから考えよう。
対応2 思い切って口座を見ない
思い切って、証券口座を見ないこともいいかもしれない。
心の中では、NISAのつみたて投資は長期投資だとわかっていても、赤字が拡大するのは見ていて気持ちがいいものではない。どうしても気になってしまう場合はスマホのアプリを削除することも原始的ながら有効だ。
対応3 リスクを落とす
ポジションを一部売却してリスクポジションを減らす、もしくは下落局面で逆に利益が出るポジション(ヘッジポジション)を持つことも考えられる。たとえば信用の売り建てや日経ダブルインバースなどがそれにあたる。
長期運用の秘訣は大きなロスを避けること。戻りを狙って勝負をかけるより、最悪のケースで損を膨らませない行動をとることが大事だ。
プロの投資家は、株価急落時にこのような行動をとることが多い。これはプロのファンドマネージャーは人のお金を運用しており、1年など決まった期間で結果をださなくてはならないからだ。個人は戻るまで塩漬けにして持ち続けるという選択肢もあることは有利だと思いたい。
リスクを管理し、自分のルールを守り、投資の継続を
基本的に相場急変を予測することは専門家でも難しい。したがって、できることは「リスクを管理する」ことと、「投資ルールをきめて厳守する」こいとだ。
リスク管理とは、投資に回せる金額といざというときのキャッシュポジションの管理でもある。また投資ルールとは、自分なりの決め事で、こうなったら利益確定する、ロスカットする、といったものが考えられる。
今回の下落で想定以上に損失が膨らんだ場合、自分の投資対象が米国株、半導体関連、高配当株など、偏りすぎていないかなどを見直すきっかけにしたい。むしろ、ポートフォリオを分散投資として最適化するチャンスだととらえよう。
文/編集・dメニューマネー編集部