契約社員や派遣社員などの非正規雇用の場合、忙しい時期に収入が増える反面、契約が終わって収入が途絶えてしまうかもしれません。不安定な収入のために、家計の管理や貯蓄には特に工夫しなければなりません。その際には4つのポイントがあります。
ポイント1 生活防衛資金を1年分など多めに確保する
病気やケガ、高価な家電の故障など急な出費のために備えたお金を、通常は生活費の半年分は用意しておく必要があるとされますが、雇用が不安定な世帯では、さらに多めの1年分程度を蓄えておくと安心です。
このような生活防衛資金を十分に蓄えておけば、もし契約終了で収入が途絶え、生活費が赤字になったとしても、そう慌てずに済むでしょう。
ポイント2 老後資金を計画的に準備する
契約社員や派遣社員は退職金が期待できないため、できるだけ早い時期から計画的に貯蓄や投資を始めましょう。
また、何歳までどのように働くか、公的年金に加えていくら貯蓄が必要かなどを具体的に考える必要があります。iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった制度も積極的に活用しましょう。
ポイント3 毎月の生活費は収入が少ない月に合わせて設定する
契約社員や派遣社員は、繁忙期など一時的に収入が増えることがありますが、毎月の生活費は収入が少ない月に合わせて設定し、収入が多いときでも「ここまでは使ってよいが、この額以上は貯金する」などのルールを決めておきましょう。
たとえ収入が多い月でも、その分をすべて使ってしまうと、収入が少ないときに生活が苦しくなるおそれがあります。
大事なのは、収入の波があっても家計を安定させることです。
ポイント4 就業不能保険の加入を検討する
病気やケガで働けなくなった場合に、毎月一定の給付金を受け取れる就業不能保険への加入を検討しておきましょう。契約社員や派遣社員の場合、病気やケガで長期間働けなくなると収入が途絶える可能性があるからです。
保険料は年齢や保障内容によって異なりますが、無理のない範囲で構いません。貯蓄が十分にあれば、働けなくなったときのお金をすべて保険に頼る必要はありませんが、入る必要があるかどうかを含めて検討してみるとよいでしょう。
契約社員や派遣社員の世帯では、不安定な収入のために堅実な家計管理の必要性が高いといえます。収入が多いときも使いすぎず、お金を蓄える習慣をつけましょう。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部