投票まで2ヵ月を切った米大統領選挙選は、カマラ・ハリス、ダニエル・トランプ両候補の支持率が拮抗し、大接戦となっている。米大統領選前は株式市場が下がり、終了後に上昇する傾向がある。4年に1度の米大統領選での下げを「投資のチャンス」にしたい。選挙後の株高トレンドに乗れるようにしておこう。
米大統領選前は下げる?
米大統領選は4年に1度、11月に行われる。米大統領選の株式市場のアノマリー(理論では説明できないが、経験的に観測できるマーケットの規則性)としては、「選挙直後の株高」や「就任3年目の株高」が代表的だ。
なぜ3年目に上がるかというと、翌年の大統領選での再選を目指し、経済成長と株高を意識した政策が取られるからとされている。
トランプ前大統領の3年目は2019年でNYダウの年間上昇率は22.3%。バイデン大統領の3年目は2023年で年間上昇率は13.7%と、たしかに高かった。
大統領選が行われる年の株式市場の傾向は、選挙までは下がりやすく、選挙後は上がりやすい。
選挙前は不透明感が高いが、選挙後は不透明感が減り、新しい大統領への期待で上げるとされている。
「もしトラ」「もしハリ」 両者の政策の違いと注目銘柄
株式市場はトランプ氏を好感しているようだ。ハリス人気が高まれば株式市場は下がる可能性もある。2人の公約は次の通りだ。
●法人税率
・トランプ氏……21%から15%に引き下げ
・ハリス氏……21%から28%に引き上げ。中間所得層の税制優遇を導入
●産業面
・トランプ氏……電気自動車(EV)支援よりも米国内の石油・ガス産業の促進を重視
・ハリス氏……EVなどのクリーンエネルギーを支援
●規制緩和・規制改革
_トランプ氏……暗号資産、AI推進
・ハリス氏……医療改革、薬価引き下げ
●貿易面
・トランプ氏……輸入製品に一律10%課税。対中国は最恵国待遇を廃止、一部輸入品を段階的に廃止など
・ハリス氏……保護主義的な政策で対中国での半導体輸出制限措置
●国防面
・トランプ氏……軍事力強化、同盟国に対する軍備強化の要求
・ハリス氏……同盟国との関係強化
「もしトラ」なら注目銘柄は、防衛、エネルギー、AI、暗号資産などで、中国関連にはネガティブ。「もしハリ」ならクリーンエネルギー、EVなどが注目で、逆にヘルスケアにはネガティブに働きそうだ。
大統領選前の急落は買いチャンスか?
大統領選前の不透明感が強いときに下げれば、買いタイミングになる可能性が高い。
2024年から始まったNISAを利用すれば長期にわたって非課税で運用できる。安い時に買っておくことが高パフォーマンスの秘訣だ。相場が上昇する前に仕込むことでNISAのメリットをうまく活用したい。
文/編集・dメニューマネー編集部