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転職したら生命保険の見直しはすべき? 見直しが必要なケースを解説!

2024/10/07 13:15

転職したら、加入している生命保険の見直しが必要なのか・・・。 収入面や生活面でも変化があるタイミングとなりますので、気になるところかと思います。 ここでは、保険見直しの必要性や、実際の手続きについて解説をさせて頂きます。 転職後に生命保険の見直しは必要? 会社員から会社員の転職の場合には、生活や収入の面においてそれ

転職したら、加入している生命保険の見直しが必要なのか・・・。

収入面や生活面でも変化があるタイミングとなりますので、気になるところかと思います。

ここでは、保険見直しの必要性や、実際の手続きについて解説をさせて頂きます。

転職後に生命保険の見直しは必要?

会社員から会社員の転職の場合には、生活や収入の面においてそれほど大きな変化がない場合が多いかと思いますので、生命保険の見直しについては、基本的には不要と考えます。

但し、転職前に加入していた団体保険(グループ保険)等は基本的に引き継げないため、保障が不足するケースもあります。転職先の会社でも同様の制度があるかどうか等も、確認をしておく必要があります。

転職先の社会保険制度の確認は必須

社会保険制度は、主に「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」になります。

ご存知の通り、社会保険制度は、生活をしていく上で最も身近な制度と言っても過言ではありません。

転職先の社会保険制度によって、福利厚生面の差異が生じる場合もありますので、入社時にしっかりと確認をしておく必要があります。

転職で生命保険の見直しが必要なケース

ここでは、転職で生命保険の見直しが必要なケースについて解説をしていきます。

①転職で収入や生活費に大きな変化があった場合

転職により収入や生活費に大きな変化があった場合は、生命保険等の見直しが必要な場合があります。

特に、転職後に収入が減少するケースでは、収入に対する支払保険料の負担割合が大きくなる場合もあります。

その際には、保険料負担を軽減するような保険商品や保障内容へ見直しをすることも検討されると良いでしょう。

また、転職により必要保障額が不足するケースもあります。特に、ご家族を扶養している場合などは、保障の見直しについては、十分に注意が必要です。

一方、現在加入中の生命保険を一足飛びに解約するのではなく、「保障内容の見直し」「支払期間の変更」等によっても、保険料負担が軽減できるケースもありますので、併せて検討をして頂くことが重要です。

まずは、転職後の収支を明確にし、生命保険の支払保険料と保障のバランスを確認する必要がありますので、キャッシュフローを再度確認してみる事も重要になってきます。

②会社員から自営業・フリーランスに転職した場合

会社員から自営業・フリーランスに転職した場合の大きなテーマは、社会保険制度の差異になります。つまり勤務先で加入していた社会保険制度が利用できなくなるという点です。

下記にて、社会保険制度について簡単におさらいをさせて頂きます。

公的年金制度は、国内在住すべての人が加入する国民年金や、会社員等が加入する厚生年金があります。

国民年金の加入者が亡くなった場合、生計を共にしていた子(※1)、子のある配偶者(※2)に遺族年金が支給されます。

これを、遺族基礎年金と言いますが、令和4年4月から、「年額777,800円+子の加算(第1子・第2子 各223,800円 第3子以降 各74,600円ずつ加算)」の金額が、子が18歳に到達する年度末まで支給されます。
(子のいない配偶者(65歳未満)については、基本的に支給の対象になりません。)

一方、会社員は2階分に相当する厚生年金から、遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金が支給されます。

支給の対象は生計を共にしていた妻(※2)、または55歳以上の夫、父母、祖父母等も含まれるようになっており、生計を共にしていた家族を支える性質が強い年金となります。

支給要件(※3)を満たせば、「報酬比例部分の年金額の計算式」によって支給額が算出され、遺族厚生年金が支給されます。

また、こちらも支給要件に該当すれば、40歳から65歳になるまでの間、583,400円(年額)の中高齢加算が支給されます。

加えて、65歳以降も、支給要件に該当した場合、経過的寡婦加算(昭和61年4月2日以前の生まれ)が支給されます。

このように、「会社員」と「自営業・フリーランス」では、遺族が受給できる金額が大きく異なります。

また、上述の通り、子どものいる家族といない家族では受給額が異なります。

こうしたことからも、会社員から自営業・フリーランスに転職した場合には、遺族への保障額をUPさせる等、生命保険の保障内容の見直しが必要となります。

(※1)子ども;18歳到達年度の末日までの子、または20歳未満で1級・2級障害状態にある子。
(※2)遺族の年収について:前年年収が850万円未満、又は所得が655.5万円未満の場合に支給対象になります。
(※3)支給要件等の詳細情報は、日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/ にてご確認下さい。

加えて、社会保険の任意継続について、補足させて頂きます。

補足として、会社退職後に、希望する場合には一般的に2年間の期間限定ではありますが、「社会保険の任意継続」が可能です。

その際、社会保険の資格喪失日から20日以内に、勤務していた会社の協会けんぽ等に「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」を提出する必要があります。

会社員から自営業・フリーランスに転職した場合には、健康保険も協会けんぽ等から国民健康保険に切り替わります。

扶養家族の状況や保険料負担額等も考慮して、当面2年間ではありますが、任意継続を利用することで従前に勤務していた会社の社会保険制度の利用が出来る点や、保険料負担の軽減にも繋がる場合がありますので、その節にはご検討を忘れずに。

上述の通り、自営業・フリーランスに転職した場合には、社会保険の相違点等も良く理解した上で、扶養する家族への保障の確保や、就業不能時等の保障なども含めて、しっかりカバーしていくことが必要になります。

③自営業・フリーランスから会社員に転職した場合

一方、上記②とは反対に自営業・フリーランスから会社員に転職した場合、一般的に勤務先の社会保険制度に加入することが出来ます。

まず、健康保険制度についてですが、国民健康保険から健康保険組合もしくは協会けんぽ等に加入することになります。

扶養家族がいる場合には、扶養家族の所得等にもよりますが、国民健康保険に比べ健康保険料の負担を軽減することが出来ます。

また、公的年金制度についても、国民年金から厚生年金等へ切り替えとなります。

加えて、転職先の福利厚生制度等も利用できることから、団体扱いの生命保険等に加入することが出来る場合もあります。

生命保険の保障内容の見直しについては、これまでの自営業・フリーランスに比べると個人で負担して加入していた保障から、団体扱い(グループ保険等)に加入が可能となるケースが多くなりますから、内容を確認しながら見直しをするのも良い機会になるかと思います。

④会社の団体保険に加入していた場合

転職前の勤務先で加入していた団体保険(グループ保険等)については、転職後に引き継ぐことが出来ないケースが多いと考えます。

グループ企業等への転職であれば、引き継ぐことが可能なケースもありますが、基本的には別の保険へ加入することになります。

転職先の制度の内容確認も含めて、改めて保障が充足しているかどうかのチェックも必要になってきます。

転職や退職の際に必要となる生命保険の手続

ここでは、転職や退職をした際に必要な生命保険の手続きについて解説をさせて頂きます。

職種の変更手続き

生命保険について、保険期間中に転職をした旨の申告や職種変更についての変更手続きは、必要ありません。

住所や電話番号の変更手続き

転職あるいは退職に伴う転居等をされた場合には、加入している生命保険会社に、「住所・電話番号の変更手続き」をする必要があります。

手続き方法は、各保険会社によって異なりますが、基本的に「カスタマーサービスセンター」等のお客様窓口に電話する方法や、保険会社ホームページあるいは、Myページ等でも変更が可能となります。

保険料払込方法の変更手続き

保険料払込方法の変更がある際にも、保険会社に通知し手続きをする必要があります。

主に、「振替口座やクレジットカードの変更」となりますが、保険料の支払いが滞ることで失効をしてしまうリスクも伴いますので、変更手続きは速やかに進める必要があります。

団体扱いの保険料引き去り

「団体扱い」の保険についてですが、個人で加入している保険を「団体扱い」で給与天引きされている場合があります。

こちらについては、団体扱いで給与天引きをされていますので、転職時に保険料振替口座への変更の手続きが必要となります。

また、団体扱いで「団体保険料割引」がされている場合もありますが、転職先に同じ保険会社の団体扱い制度がある場合を除いて、「個人扱い」に変更になります。その際には、団体扱い⇒個人扱いになりますので、支払保険料も変更になります。

まとめ

ここまで、転職をした場合の保険の見直しについて、および必要な手続きについて解説をさせて頂きました。

転職は、人生においても大きな転機となる出来事です。
様々な変化も伴う中ではありますが、「守り」の部分でもある保険についても、しっかりと保全していく必要があります。

特に、家族をお持ちの方で転職をされる場合には、配偶者やお子様の精神的な不安も少なくないと考えます。

とかく、収入面ややりがい等に気を取られがちですが、社会保険制度や保障の充実も確保していきましょう。

また、人生の転機の際には、ライフプランの見直しの機会でもあります。

将来に向けてのキャッシュフローの確認や、目標の設定等も含めて有効な情報提供をしてくれるファイナンシャル・プランナーに相談をすることをおススメします。

執筆◎綿引 隆弘(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、大手住宅販売会社に入社。FP資格を活かすべく2002年外資系金融機関に転職。ライフプラン・相続事業承継・リタイアメントマネジメント等、法人・個人への提案業務に従事。2012年、更なるソリューションを追求するために独立し現在に至る。~Improve your quality of Life~(価値ある人生のお手伝い)を旨として、人生に関わるすべての課題・問題に対し、ファイナンシャル・プランナーとして、また保険マンとして、そしてひとりの人間として、解決方法を見出していく活動をしています。ほけんペディアへの記事掲載については、より多くの方々に保険について詳しく知って頂きたいという気持ちと自分自身が真摯に保険に向き合うことが出来る素敵な時間になっています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格、トータル・ライフ・コンサルタント