大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県の「街の住みここちランキング」で、大阪市天王寺区が1位に輝いた。
大阪市24区や、神戸の芦屋市・西宮市など以外でトップ10に入ったのは果たしてどの自治体(市区町村などの基礎自治体)だろうか?
24区外の箕面市、芦屋や西宮を抑えて2位に
発表したのは大東建託 <1878> 。今回の調査「街の住みここちランキング2021<関西版>」は、2府4県に住む20歳以上の男女、2019・2020・2021年の合計10万221人を対象に調査したという。
現在住んでいる街の満足度を0〜100点の5段階で回答してもらい、その平均値を評点としてランキング化した。トップ10は次のとおりだ。(カッコ内は前年順位)
順位(前年) | 自治体名 | 評点 |
---|---|---|
1位(2) | 大阪市天王寺区 | 75.4 |
2位(3) | 大阪府箕面市 | 75.0 |
3位(5) | 大阪市北区 | 74.6 |
4位(4) | 兵庫県芦屋市 | 74.5 |
5位(6) | 兵庫県西宮市 | 74.0 |
6位(9) | 京都市中京区 | 74.0 |
7位(7) | 大阪市中央区 | 73.9 |
8位(1) | 奈良県王寺町 | 73.5 |
9位(12) | 大阪市阿倍野区 | 73.1 |
10位(13) | 神戸市中央区 | 73.1 |
1位に輝いた天王寺区は、都心部といえる地域だが住宅も多く、徒歩圏に百貨店や書店、銀行、区役所などがあって生活便利性が高い点が評価された。
前年から引き続き芦屋市や西宮市などの高級住宅街を抑え、2位となった箕面市(みのおし)は、24区外で唯一トップ10入りした大阪の自治体。
大阪市内へ約30分でアクセスできる立地ながら、自然が豊かで教育水準が高く、上位にランクインした他の自治体と比べて物価が高くないというイメージを持つ人が多いようだ。
3位の北区は、区の中心部の梅田周辺に百貨店や家電量販店、飲食店が多くあって生活便利性が高い点や、日本一長い商店街があるなど親しみやすい点が評価された。
前年トップの奈良県王寺町は8位に
前年から引き続きトップ10入りを果たしたものの、多くの自治体が順位をキープ、または上げるなかで順位を落としてしまったのが、奈良県王寺町。
このような結果となった明確な理由は明らかになっておらず、今年のアンケートによれば物価面が特に高く評価され、子育てのしやすさや、大阪市や奈良市へのアクセスのしやすさも評価されている。
次にトップ100のうち大きく順位を上げた自治体を見ていこう。
コロナ禍での郊外移住がランキングに影響か
100位までを見ていくと、大阪市24区でランクインしなかったのは此花区、大正区、西淀川区、生野区、平野区、西成区だった。
また、前年と比べて15位ほど、もしくはそれ以上に順位を上げた自治体は次のとおりだ(カッコ内は前年順位)。
順位(前年) | 自治体名 |
---|---|
27位(55) | 大阪府島本町 |
42位(57) | 兵庫県播磨町 |
66位(80) | 京都府向日市 |
69位(85) | 兵庫県猪名川町 |
76位(89) | 奈良県大和郡山市 |
89位(102) | 兵庫県福崎町 |
90位(119) | 和歌山県かつらぎ町 |
大きく順位を上げた自治体は、各府県の中心市街地よりも郊外に多い。首都圏ではコロナ禍の地方・郊外移住が話題になったが、関西圏でも同様に、郊外に魅力を感じる人が増加しているのかもしれない。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・朋哉 松本 / stock.adobe.com(箕面市、勝尾寺のダルマ)
(2021年10月22日公開記事)