60代の平均年収は428万円(税引後)
年収ランキングは「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会)※が参考になります。
※家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)
1位 300万円未満 35.2%
2位 300~500万円未満 24.8%
3位 500~750万円未満 17.9%
4位 750~1000万円未満 7.4%
60代の年収は「300万円未満」(年間手取り収入、税引後)が約35 %でトップでした。2位以降、金額が上がっていく傾向にあります。
企業によって定年年齢は違うため、60代は働いている人とそうでない人、働き方も常勤、非常勤など他の年代よりも多岐にわたります。年金も、すでにもらっている人、そうでない人に分かれ、傾向が一概にはつかみにくい年代です。
一方で、1200万円以上という世帯も約5%います。なお60代の平均は428万円、中央値※は350万円でした。70代は平均361万円、中央値300万円となっています。
※数値データを並べた時に中央に来る値のこと
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60代の貯蓄事情は? 単身と家族あり、その違いとは
貯蓄事情も気になるのではないでしょうか。調査では収入からどの程度、貯蓄に回しているのかについて単身者と二人以上世帯に聞いています。
1位 貯蓄しなかった 49.3%
2位 10~15%未満 11.7%
3位 20~25%未満 10.6%
4位 5~10%未満 9.2%
5位 35%以上 7.1%
60代単身者は収入(臨時収入含む)から「貯蓄しなかった」人が過半数でトップ。2位以下は「10~15%未満」「20~25%以上」となりました。平均は14%と、単身の全世代平均13%並みです。
「60代家族あり」、少額でも貯蓄に回す割合が高め
60代が世帯主の二人以上世帯も同様の傾向です。
1位 貯蓄しなかった 37.2%
2位 10~15%未満 16.2%
3位 5~10%未満 12.9%
4位 20~25%未満 11.0%
5位 35%以上 8.7%
60代家族あり世帯の1位は「貯蓄しなかった」で約4割。貯蓄に回すというより、そのまま生活費に使うという60代の世帯も多いということかもしれません。2位の「10~15%未満」以下、割合は少ないものの可能な限り貯蓄に回して今後の生活に備える様子が伺えます。
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60代「臨時収入なし」は単身で7割
次に60代の臨時収入(ボーナス等)について見ていきましょう。
臨時収入等がなかった 70.2%
臨時収入等があった 29.8%
60代単身者では「臨時収入等がなかった」人が7割、「あった」人が3割。50代までは「あった」人が半数以上でした。60代は一転して、なかった人が大半に。60代となると既に仕事を退職していたり、働いていても多くの企業で定年を境に働き方が変化するケースが多いため、ボーナスなどの臨時収入がないという声が多いのは納得の結果といえそうです。
臨時収入等がなかった 53.3%
臨時収入等があった 46.7%
一方、60代が世帯主の二人上世帯では5割弱が「臨時収入等があった」と回答。単身は約30%だったため、大きな差が生じています。
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60代は臨時収入をどのくらい貯蓄した?
臨時収入があった60代の人はどのくらいを貯蓄に回したのでしょうか。
1位 貯蓄しなかった 12.4%
2位 10%未満 5.3%
3位 60%以上 4.3%
4位 10~20%以上 3.2%
60代単身者で臨時収入等があった人のうち、「貯蓄しなかった」人が約12%、以降、「10%未満」が続きます。二人以上世帯も「貯蓄しなかった」がトップですが、以下は「60%以上」「50~60%未満」が続き、比較的貯蓄に回す割合が多くなっています。
1位 貯蓄しなかった 15.9%
2位 60%以上 8.9%
3位 50~60%未満 5.9%
4位 10~20%未満 5.1%
60代、取り崩しながらも運用の継続を
60代は定年退職を迎え、主な収入を年金に頼る人が増える世代。今まで貯めてきた金融資産を取り崩しながら老後を暮らしていくことになります。
再雇用やパートなど、定年後も働くことで収入を得るだけでなく、社会とのつながりを保つことができます。生活を見直し、無駄を省いて支出を抑えたり、余裕があれば、金融資産を取り崩しながらも運用を続けて増やしていくことも考えられます。
いずれも自分に合った方法で計画的に進めることをおすすめします。信頼できる相談相手も見つけておくとよさそうです。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会) 調査時期/令和5年6月23日~7月5日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。