中高受験で必要な費用は?
家計診断サービスなどを提供する400Fは10月22日、「オカネコ 中学受験・高校受験の意向調査」の調査結果を公表した。インターネット調査で行われ、有効回答数は605人だった。
子どもの中学受験・高校受験の経験がある保護者に「子どもごとの受験費用の捻出方法を教えてください」と問うと、中学受験と高校受験どちらとも「貯金」がもっとも多く、中学受験(67.1%)、高校受験(72.6%)だった。次に中学受験では、「家計費の見直し・節約」(40.0%)、学資保険(21.4%)と続いた。高校受験では、「学資保険」(31.5%)、「家計費の見直し・節約」(25.3%)だった。
従来どおりの準備方法が多いなか、資産運用や転職、副業などといった新しい費用の捻出方法も目立った。
「NISA等の資産運用」で中学受験の費用を捻出した保護者は17.1%、高校受験では6.2%だった。「収入を増やす(働き方を変える/副業など)」と回答した中学受験の保護者は18.6%、高校受験では11.6%だった。
同調査では、子どもごとに受験にかかった費用の総額(塾代・受験料等、入学金を除く)を聞いたところ、かかる費用の平均は中学受験で約148万円、高校受験では約86万円だった。
中学受験の費用では、「50万円未満」(21.0%)がもっとも多く、「50万円以上100万円未満」「わからない・覚えていない」(いずれも17.0%)と続いた。高校受験では、「50万円未満」(36.1%)が最多で、「50万円以上100万円未満」(24.8%)、「わからない・覚えていない」(20.0%)だった。両者を比較すると、中学受験のほうが費用がかさむ傾向にある。
同調査は、「中学受験は高校受験よりも塾に通うことのできる期間が長いため、塾代が高くかかった可能性や、首都圏の受験出願校数の平均は中学受験では7校、高校受験では一般的に3~4校と言われており約2倍の差分が費用差に影響したことが考えられる」と解説した。
子どもの教育費用 見通し立たず
同調査では「子どもの中学校入学以降の教育費用の見積もりはいくらか」の問いに、「わからない」という回答が中学受験(20.0%)と高校受験(26.7%)ともに最多。4人に1人の保護者が費用の見通しがついていないことが浮き彫りになった。
見積もりの平均額は、中学受験を経験した保護者は約550万円・高校受験を経験した保護者は約365万円となり、差額は約185万円だった。
また、調査では想定外の出費もかかっていることも明らかになった。
子どもの中学受験・高校受験を経験した保護者を対象に「中学・高校受験における、想定外の出費はありましたか」と質問したところ、ある(22.7%)、ない(77.3%)だった。
具体的には下記のようなコメントが寄せられた。
・季節講習(塾の夏期講習・冬期講習などの特別な会費。それぞれ5万円以上かかって驚いた)
・併願の私立高校入学金(滑り止めの私立の試験が先なので必ず受けなければならない)
・合宿費(追い込み泊まり込み学習費)
なかには「そもそも中学受験が想定外だった」と回答する保護者もいたという。
同調査は「中学・高校受験を考えるうえでは、一般的に想定される費用以外にも突発的にお金がかかることを念頭に、お子様の意向を早めに確認することやあらゆる可能性に備え、準備を進めることが必要だ」と訴える。
教育費の増大が続くなかで、多くの家庭が効率的な資金計画に注力していることが判明した。特にNISAを活用した資産形成や、収入源の多様化を図る副業などは、教育費用を捻出するうえでも有力な手段の一つともいえる。正しい知識と具体的な方法を学ぶことが、家庭にとって安心して教育資金を確保するための一助となるだろう。
<調査概要> 調査名:オカネコ 中学受験・高校受験の意向調査 調査期間:2024年9月17日(火)~2024年9月23日(月) 回答者:全国の『オカネコ』ユーザー605人
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。