NISA・クレカ積立を始めたい

新NISAに満足している「投資中級者・上級者」は6割、「初心者」との違い、カギは「分散投資」にあり?

2024/11/11 12:00

上級者の成長投資枠活用が顕著に EFT専門の資産運用会社Global X Japanは10月10日、新NISAの活用実態と来年の展望についての調査結果を公表した。調査は、新NISAを利用している20代〜60代の322人を対象にインターネット調査で行われた。 NISAの利用をいつから始めたのかと問う質問では、「新NI

上級者の成長投資枠活用が顕著に

EFT専門の資産運用会社Global X Japanは10月10日、新NISAの活用実態と来年の展望についての調査結果を公表した。調査は、新NISAを利用している20代〜60代の322人を対象にインターネット調査で行われた。

NISAの利用をいつから始めたのかと問う質問では、「新NISAになる前から」(69.7%)がもっとも多く、「新NISA開始に合わせて」(11.1%)、「2024年2月〜3月」(10.5%)と続いた。

出所:【年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査】

自身の投資経験を初心者と答えた人のうち、つみたて投資枠を利用していると答えた人は50.5%となり、成長投資枠は33.3%。つみたて投資枠を優先して慎重な投資をしている実態が明らかになった。

出所:年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査

一方で、中級者と答えた人では、つみたて投資枠を利用している人は30.9%にとどまり、成長投資枠の利用が48.2%で、初心者と答えた人との違いが明確に表れた。

上級者と答えた人は、つみたて投資枠(40.5%)、成長投資枠(38.7%)と半々の結果となった。

投資額では、投資の経験による差が出た。新NISAで、つみたて投資枠は1年間で120万円の上限がある。120万円の上限を満額利用していると答えた初心者は6.3%と低いものの、中級者は18.2%、上級者では15.3%と違いが明確に表れた。

出所:年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査

成長投資枠でも同様に、1年間の上限240万円のうち、満額を利用していると答えたのは上級者(20.7%)、中級者(12.7%)、初心者(9.0%)だった。また、成長投資枠をまだ使っていないと答えた初心者は32.4%ともっとも多かった。

初心者「慎重な投資スタイル」貫く

つみたて投資枠の上限である120万円を年内に使い切るかを問う質問では、使い切ると答えた人は上級者(61.7%)がもっとも多く、中級者(41.1%)、初心者(22.1%)だった。

出所:年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査

成長投資枠の上限である240万円を年内に使い切るかを問う質問では、使い切ると答えたのは上級者(59.1%)、中級者(45.8%)、初心者(18.8%)だった。

いずれも投資枠を使い切ると答えた初心者は約2割のみで、投資の経験の度合いによる差が明確に出た。

同調査では、「新NISAの投資額が予定通りだったか」を問う質問もしており、つみたて投資枠への投資額では、予定通りと答えたのは中級者(74.4%)、上級者(73.4%)、初心者(66.7%)の順となり、といずれも計画通りに投資を進めている様子が見えた。

出所:年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査

成長投資枠でも同様に、「予定通り」と答えた人は中級者(71.4%)がもっとも多く、初心者(69.3%)、上級者(67.0%)と続いた。

「つみたて投資枠で予定以上に投資をしているか」と問う質問では、予定以上に投資していると答えたのは上級者が最多で21.3%、成長投資枠でも上級者が一番多く、20.0%だった。上級者は予定以上に投資する傾向、逆に初心者は予定よりも少なく投資している傾向が見られた。

投資している銘柄数にも違いが生まれた。「つみたて投資枠で投資している銘柄数」という問いでは、初心者は「1銘柄」(36.8%)が最多で、「2銘柄」(27.6%)、「5銘柄以上」(9.2%)となった。

上級者は「2銘柄」(40.4%)が最多で、「3銘柄」(21.3%)、「5銘柄以上」(16.0%)だった。中級者も「2銘柄」(29.1%)が多く、「1銘柄」(24.4%)、「5銘柄以上」(19.8%)と続き、中級者・上級者で比較的銘柄の分散傾向が見られた。

出所:年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査

成長投資枠では、投資経験の差にかかわらず、「3銘柄」がもっとも多かった。3銘柄と答えた上級者は(28.0%)、中級者は(27.5%)、初心者は(26.7%)だった。

「新NISAに対する満足度」を問う質問では、「とても満足している」「まあまあ満足している」と回答したのは、投資上級者(68.4%)、中級者(59.1%)、初心者(41.4%)と続いた。

「来年も新NISAを利用するか」については、初~上級者のいずれを問わず、7割程度が「今年と同額」または「それ以上で検討」となった。特に投資上級者は「今年よりも投資額を増やす」「今年同様満額投資する」といった回答が多く、新NISAの活用に積極的な様子が伺えた。

出所:年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査

<調査概要> 調査名:年末間近!今年の新NISA活用実態と来年の展望調査 調査期間: 2024年9月18日~9月19日 有効回答: 332名

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。