NISA投資をやってもお金持ちにはなれない──そんなふうに諦めていないだろうか? 日比谷公園などの設計に関わり“公園の父”とも呼ばれる故・本多静六(1886-1952)は、「給与の4分の1投資」で貧乏生活から資産100億円を築いた。その伝説の投資家から、資産を築く積立投資の極意を学ぼう。
NISA投資で月3万円から“億り人”を目指せるか?
本多静六は、給料が少ない頃から毎月の給料の4分の1を貯金する「4分の1天引貯金」を行い、そのお金を長期の株式投資に回して、今の時代でいう100億円の資産を築いた。
著書『私の財産告白』(実業之日本社)で、「金というものは雪達磨のようなもので、初めはホンの小さな玉でも、その中心になる玉ができると、後は面白いように大きくなってくる」と述べている。だからこそ、「投資の習慣」を早く身に付け、雪だるまの芯をつくることに力を注ぐべきだというわけだ。
“億り人”(資産1億円を築いた人)と聞くと自分には縁のない、ごく一部の人だけの話に思うかもしれないが、実は毎月3万円を年平均利回り12%で運用できれば30年で1.4億円、8%なら40年で1.4億円、月10万円で13%なら、20年で1億1332万円になる。
主要な世界の株価指数について過去10年の平均年間利回りをみてみよう。
・日経平均…….3%
・TOPIX(配当込み)……10.3%
・米NYダウ……12.8%
・高いナスダック(ハイテク株比率が高い指数)……17.8%
・S&P500(配当込み)……17.3%
・MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(オルカン)……12.8%
(※海外指数は円換算、2024年10月)
こうして見ると、決して現実離れした数値ではなく、充分に億り人を狙えることが分かる。
さらにNISAなら税制優遇も効くため、より効果的に資産をつくれるだろう。
給与が増えて投資額を増やせば資産は加速
投資しながら働き続けていれば、給料も増えてくるので、投資額を増やしていけば、さらに億り人に近づく。
年代に応じて、積み立て額を増やした場合の試算をしてみよう。ここでは、20代の10年を月3万円、30代で月5万円、40代で月7万円、50代で10万円投資したとする。トータルの元本は3000万円で、平均利回りが0%でも3000万円貯まることになる。
●想定年利回り10%
・30歳……599万円
・40歳……2552万円
・50歳……8018万円
・60歳……2億2795万円
●想定年利回り5%
・30歳……463万円
・40歳……1525万円
・50歳……3564万円
・60歳……7349万円
想定利回り/年齢 | 10% | 5% | 0% |
---|---|---|---|
30歳 | 599万円 | 463万円 | 360万円 |
40歳 | 2552万円 | 1525万円 | 960万円 |
50歳 | 8018万円 | 3564万円 | 1800万円 |
60歳 | 2億2795万円 | 7349万円 | 3000万円 |
資産を増やすのは簡単ではないが、とはいえ「思っている以上に難しいことではない」と感じられないだろうか。
NISAは長期で複利が魅力なので、雪だるまの芯をつくることで資産が大きく増える。まずは4分の1投資など投資習慣を身につけたい、その上で、なるべく利回りが高まるように、積み立ての内容を常に見直すことも忘れてはいけない。
文/編集・dメニューマネー編集部