「リボ払い」を利用したことはありますか。クレジットカードの支払方法のひとつですが、毎月の負担を抑えられるため気軽に使い始める方もいます。また、積極的に使ったつもりはなくても、実は大変なことになっているというケースもあります。Mさんの事例を見てみましょう。
なにげなく使い始めたリボ払いでピンチ!
Mさんは、利用しているクレジットカードの案内で「リボ払いの設定をすると5,000ポイントプレゼント!」というキャンペーンが開催されていることを知りました。もともと「お得」が好きで、普段貯めているポイントをもっとゲットしたかったMさんは、すかさずリボ払いに設定しました。
その後もいつもどおり、日々の外食費やファッション代をそのカードで支払っていきます。毎回レジでそのカードを出して「一括で」と伝えて決済していました。
実はこのときすでにMさんのカードで「自動リボ払い」がスタートしていたのですが、毎月の明細をそこまで細かくチェックしていたわけではないので気付かないままに。「あれ?今月は結構使ったと思ったのに引き落とし額が少ないな」と気が付いたときには、リボ払いで抱えた負債が30万円にもなっていました。これはれっきとした借金です。
そんなことをしている自覚がまったくなかったMさんは驚愕!早く返済しようとしましたが、すぐに全額支払えるだけの余裕がなかったため、しばらくのあいだ借金に苦しめられることになりました。
なにげなく目先の「お得」を求め、よく理解しないまま手続きしてしまったせいで、受け取ったポイントよりもずっと大きな金額を手数料として支払うことになったMさん。金銭的にも精神的にもダメージを負ってしまいました。
そもそも「リボ払い」とは?危険なの?
クレジットカードでリボ払いに設定すると、毎月の引き落とし額が一定になります。たとえば「月1万円」で設定しておけば、たとえ1ヵ月間で3万円使おうが10万円使おうが、引き落としされるのは1万円です。
出費を気にせずお買い物できる気になるかもしれませんが、設定額をオーバーした分はなかったことになっているわけではありません。支払いがどんどん先延ばしになっているだけです。しかも利用分に応じて手数料がかかります。
手数料は年15%などカードローンやキャッシングと同程度の高さです。利用金額が大きいのに毎月の引き落とし額が小さいと、ずっと借金が減っていかずにふくらみ続けていってしまう危険性があります。
リボ払いで困ったら
リボ払いになっていたことに気が付いたら、毎月の引き落とし額を上げたり繰り上げ返済したり、今の負担を増やしてできるだけ早く多く返済に回すのが有効です。今以上に返済必要額がふくらんでしまうのを阻止しましょう。
返済が難しくて困ってしまった場合は、消費生活センター(188)や日本クレジットカウンセリング協会(0570-031640)などの相談窓口に電話すれば、無料で相談に乗ってもらえますよ。
「なんとなくリボ払い」はNG!
「ポイントがもらえるから」「毎月の支払いが少しで済むから」といった理由で安易にリボ払いにしてしまうと、いつの間にか借金がかさんでしまい、なかなか返しきれない事態に陥ってしまう場合もあります。
リボ払いを使わずに済むのであれば、それに越したことはありません。やむなく利用する場合も、お金についての重要な決断になりますので、きちんと中身(しくみやメリット&デメリット)を理解してからにしましょう。
文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。