70代は「預貯金」「株式」、いくら持っている?
全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会)から70代の回答を見ていきましょう。具体的にどんな金融資産をどのくらい持っているのでしょうか。
※家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)
単身世帯、二人以上世帯ともにトップは「預貯金」、2位「株式」という結果でした。まずは単身世帯から詳しく見ていきましょう。
70代の金融商品(種類別)保有額ランキング(単身世帯)
1位 預貯金(運用または将来の備え) 929万円(うち定期性預貯金519万円)
2位 株式 428万円
3位 生命保険 249万円
4位 投資信託 229万円
5位 債券 133万円
1位は「預貯金」(929万円)でした。2位の「株式」(428万円)の倍以上で、大きく引き離しています。やはり70代の世帯にとって、リスクを抑えながら資産を管理できる預貯金は、心強い存在なのでしょう。
そして3位は「生命保険」(249万円)、4位はほぼ同額で「投資信託」(229万円)、5位は「債券」(133万円)と続きました。
トップ5の商品の保有額を年代別で比較すると、生命保険と債券は全世代のうち70代が最も多く、預貯金と投資信託は60代に次いで2番目、株式は50代、60代に次ぐ3番目という結果でした。
単身世帯とほぼ同じ結果に
続いて二人以上世帯です。
70代の金融商品(種類別)保有額ランキング(二人以上世帯)
1位 預貯金(運用または将来の備え) 964万円(うち定期性預貯金556万円)
2位 株式 459万円
3位 生命保険 248万円
4位 投資信託 190万円
5位 債券 137万円
なんと興味深いことに、単身世帯とほぼ同じ結果となりました。1位から5位までの項目が全て同じ、それぞれ似たような金額が並んでいます。
違いを挙げるなら、「投資信託」です。単身世帯の「229万円」に対し、二人以上世帯では「190万円」とやや少なめ。二人以上世帯においては、生活費や予備資金を優先するために、投資に割り振れる資金がやや制限されるのかもしれません。あるいは、取り崩して既に現金化したという可能性もあるかもしれません。
トップ5の商品の保有額を年代別で比較すると、単身世帯とはやや異なる傾向が見えます。全世代のうち70代が最も保有額が高い商品は債券のみで、預貯金、株式、生命保険、投資信託は60代に次いで2番目という結果でした。
「第二の人生」本番を楽しむために
今回の調査結果から、70代は4世帯のうち1世帯が「3000万円以上」を保有している現状が見えてきました。また単身と二人以上を問わず、多くの世帯が「預貯金」を重視し、平均900万円代を保有しています。
「第二の人生」の本番を迎えると言われる70代。生活費や予備資金を確保しつつ、趣味や旅行なども楽しみたいもの。改めて金融資産を確認し、バランスの良い活用を検討してみてはいかがでしょうか。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会) 調査時期/令和5年6月23日~7月5日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。