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2025年私の投資計画:日本株投資家編/お金の問題を解決し、自由な人生を送るための投資

2025/01/01 08:00

新しい1年の始まりに際し、日本株投資を実践している、kenmoさん(成長株投資家)、長期株式投資さん(配当株投資家)、配当太郎さん(配当株投資家)に2025年の投資計画、人生における投資の位置づけなどをお聞きしました。 kenmoさん:人生の自由度を上げるためにFIREではなくFI(経済的自立)を目指そう、2025年

新しい1年の始まりに際し、日本株投資を実践している、kenmoさん(成長株投資家)、長期株式投資さん(配当株投資家)、配当太郎さん(配当株投資家)に2025年の投資計画、人生における投資の位置づけなどをお聞きしました。

kenmoさん:人生の自由度を上げるためにFIREではなくFI(経済的自立)を目指そう、2025年注目の投資テーマ3選

20代後半から株式投資を始め、5年目にして資産1億円を達成したkenmoさん。現在は株式投資の傍ら、数多くの企業のIRセミナーの主催やIRの支援などを行っている。
(40代・男性・専業投資家・経営者(IR関連)・既婚・神奈川県在住)

2023年12月掲載【前編】5年で資産1億円達成!トレンドの波に乗る「成長株投資」手法

2023年12月掲載【後編】億り人が注目する「円高メリット」「内需割安成長株」

――2024年の投資の振り返りと良かった点、反省点などを教えていただけますか?

2024年は大局観を持った投資ができませんでした。特に年初の半導体・造船相場にはいずれも満足に乗れませんでした。本当は大局観と謙虚さを持って他の人達の意見も取り入れて、上昇相場に乗らなければいけなかったのですが。

4月から6月にかけては、SaaSの価格改定が相次ぎました(ネオジャパン(3921) 、サイボウズ(4776)、 トヨクモ(4058) )。収益への寄与度を計算してリリース後すぐにエントリーできたのは良かったです。一方で、実際に価格改定の影響が業績に乗ってくるタイミングで利益確定売りに押される傾向があり、売るタイミングがかなり難しかったです。

あとはIR関連のお仕事をいただく機会が増えました。企業の話を直接聞く機会を頂けてとてもありがたい一方で、どうしても社長の話を直に聞いてしまうと、本来であれば待たなければいけないタイミングであってもその熱量からついつい投資したくなってしまいます。そのバランスを取らなくてはいけないため、苦労した部分もありました。

――2025の投資計画(投資方針)を教えてください。

2025年は下記の3つのテーマに注目しています。

・蛍光灯の2027年問題

2027年末までに、一般照明用のすべての蛍光灯の製造終了が決定しています。蛍光灯はいずれ製造が終了するため、買い替えが必要になっても購入できなくなる可能性が高いです。国内の大手メーカーでも、水俣条約の締約国会議の影響を受け、蛍光灯の生産を順次終了しています。オフィスの照明に蛍光灯を使用している場合は、LEDへの切り替えを行う必要があります。

・グロースの復活

長らくグロース市場冬の時代が続いていましたが、足元で資金調達需要の低下が底打ちし、少しずつスタートアップの資金調達額が増えてきています。特にこれまでのSaaS中心のスタートアップ企業から、徐々により資金需要の大きなディープテック系への投資が加速していく流れが出てきているという話があります。

2024年にSpeeeがステーブルコイン関連として物色されたのがその象徴ではないかとも感じており、2025年は宇宙、核融合、量子コンピュータ、小型原子炉、ドローン等、次の世代を創っていくテック企業への投資が加速する1年になると感じています。

また、グロース市場に上場しているものの成長が見込めない企業が、他の大企業に買収されたり、あるいはMBO等によって市場からEXITする流れが加速していく1年にもなると思います。結果として、しっかり成長しているグロース企業が市場に残ってくれることを期待しています。

・プライム市場流通時価総額問題

プライム市場を選択しているものの流通時価総額が足りていない、所謂経過措置中の企業のタイムリミットが残りあと1年ほどに迫ってきている…。その中で、「何としてでもプライムに残る」と是が非でも頑張る企業と、市場からのEXIT(TOBMBO)を検討する企業が出てくると思われます。どちらも株価を押し上げる要因になるため、そういった企業の動向は再度チェックしておく必要があります。

前者については、エイチーム(3662)は高額クオカード優待とIR活動強化、ニーズウェル(3992)は流通時価総額達成に向けた強気の計画書、グローバル・リンク・マネジメント(3486)は強気の中期経営計画とIR活動の強化、など各社アクションを取り始めています。

――人生における投資・資産運用の位置づけについてお聞かせください。

株式投資で資産を築いた先に、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指す人が多いように感じます。投資本にも「FIRE」を謳った書籍がたくさんありますし、よく売れています。おそらく将来的にFIREを目指している方も読者の中にはいらっしゃると思います。

ただ、私自身もそうですが、多くの人はFIREではなく、FI(経済的自立)を目指すべきであると考えています。

資産を築くことで人生の自由度は広がります。FIREしたいと思うなら、それを選ぶのも一つの道です。ただ、社会から求められていることにやりがいを感じたり、まだ挑戦したいことがあるなら、早期リタイアはしない方が良い、そう思います。つまり、FI(経済的自立)は目指すべきだけど、FIREは目指すべきではない。何より優秀な人達が続々とFIREをしてしまうと、社会的損失があまりにも大きいです(笑)。

私は「お金に困らない人生を送りたい」という目的から株式投資を始めましたが、今でも毎日IR関連の仕事をしています。株式投資にも密接にかかわりますし、好きな株式投資をしながら自分自身の裁量で仕事をすることができます。サラリーマン時代よりも忙しいくらいですが、圧倒的に充実しています。

このような人生の選択ができたのも、「FI(経済的自立)」を達成できたからだと思います。ぜひ「人生の自由度を上げる」ことを目標に、資産形成に励んでいただければと思います。

長期株式投資さん:長期保有可能な優良銘柄が割安な時に、配当利回りに納得できれば投資する

「日本の配当株」メインの個人投資家である長期株式投資さん。2004年から株式投資を開始。リーマンショックで含み損を抱えた後、2009年に大型配当株メインにシフト。以降は、安定的に資産を増やす。
(47歳・男性・退職後不定期でライター業をしつつ生活費は配当から充当・既婚・関西在住)

2022年9月掲載【前編】【日本株】高配当株投資で配当額を増やした手法

2022年9月掲載【後編】【日本株】配当投資を無理なく継続する仕組み

2023年7月掲載 運用資産1.3億円!長期株式投資さんの配当株投資、「NISA」活用法

――2024年の投資の振り返りと良かった点や反省点などを教えていただけますか?

2024年は8月5日に大きな株価下落(下落率は12.4%で歴代2位、下落幅は歴代1位で4,451円)がありましたが、これまで通りの投資を粛々と継続できたのはよかったと思います。

――2025年の投資計画はどのような予定ですか?

――投資全般について

NISA枠を埋めていくことを最優先とする予定です。投資方針に変更はなく、長期保有可能な優良銘柄を、割安な時に、配当利回りに納得できれば投資する、という従来の方針を継続していきます。

――NISAの活用方針について

NISAのつみたて投資枠では、平均的なリターンを期待していることから、2024年に引き続き全世界株式型の投資信託へ投資していく予定です。

NISAの成長投資枠では、ブリティッシュアメリカンタバコ[BTI]を主な投資先としていく予定です。イギリス株なら配当が現地課税されず、二重課税の課題も解決されます。現在の株価水準が続くのであれば、配当利回りは十分に高く、加えて、配当の支払い月も2・5・8・11月と分散されます。定期的な配当キャッシュフローを確保でき、受取配当月を分散させられることも魅力的だと感じています。

――人生における投資・資産運用の位置づけについてお聞かせください。

もともとは、低金利の状況下においては現金で持っているだけではなく、何かしらの運用をしなくてはと思ったことが始まりでした。

配当キャッシュフローを増やしていくことを基本戦略としてからは、受取配当金額が増えてくるにつれて、配当を主な収入源として生活することで早期退職が可能になるのではないかと考えるようになりました。

サラリーマンとして働き続けるのも一つだと思いましたが、同じ会社で20年以上勤務しているとマンネリ感もあり、お金(給料)以外に働く目的が見いだせない状況となっていました。お金が会社員として働く理由となっていたので、お金の問題が解決するのであれば会社員を続ける理由もないと考えました。そのため、将来キャッシュフローのシミュレーションを入念に行った上で退職に至っています。

このような選択肢がとれたのは株式投資を続けてきたおかげであり、私の人生において株式投資がもたらしてくれた恩恵は大きかったと感謝しています。

株式投資にはお金の問題を解決してくれる大きな力があります。少しでも多くの人が、堅実な資産形成を進めることで豊かな人生を送ることができるよう、今後も情報発信を継続していきたいと考えています。

配当太郎さん:配当株投資をメインに実践、お金がお金を生む地盤を形成

学生時代に株式投資を始め、リーマン・ショックを経て、配当株投資に目覚める。大型株を中心に投資し、保有銘柄の9割は配当金が年々増える「増配銘柄」が占める配当太郎さん。
(30代・男性・既婚)

2023年3月掲載【前編】保有銘柄の9割が増配中!配当株投資で資産を増やす方法

2023年3月掲載【後編】「配当株投資がインフレに強い」理由とは?

――2024年の投資の振り返りと良かった点や反省点などを教えていただけますか?

良かった点としては、昨今の企業の株主還元姿勢がより鮮明になった点。私の投資方針が配当株投資と言うこともあり、企業の株主還元、特に増配が実施されたことにより年間配当金が大幅に増加されたことです。

これと言った反省点はないのですが、投資先の選定次第でもう少し投資効率を上げることができたのではないかなと思います。ただ結果としては満足しています。

――2025年の投資計画はどのような予定ですか?

――投資全般について

まずは主力株銘柄の株数を引き続き淡々と増加させていきたいと考えています。仮に主力企業の株価が上昇していたとしても、業績と還元を考慮して、妥当だと思えれば買い増しをしていきます。

日米その他世界の政治経済状況によって、日銀がどこまで利上げを進めていくのか、それにより一時日本株が売られる可能性もあるでしょう。そうした場合にも、更に先のことを見据えて臆せず投資していきたいです。

またベースは上記方針としつつ、要所要所において、割安だと思える銘柄が出てきた際には中短、長期視点で値上がり益も取れれば嬉しいです。ただこればかりは運の要素も大きいため、欲張り過ぎず、自分自身のキャッシュフローと相談して実施していければと思います。

――NISAの活用方針についてお聞かせください。

主力の増配株銘柄で成長投資枠は埋めていきたいと考えています。一時的なの含み損益は気にせず、増配によってその株から生み出される配当金が非課税になるメリットをしっかりと活かしていきたいです。積立投資枠については、インデックスファンドへの投資をしていきます。

――人生における投資・資産運用の位置づけについてお聞かせください。

以前はとにかくお金を少しでも増やしたいと言う思いが強く、それによる焦りも強かったように感じます。今は配当株投資をメインとしていることもあり、お金がお金を生む地盤が形成されています。それにより投資先を信じるだけで、毎期定期的に配当金が支払われ、資本主義経済の恩恵を感じることができるようになっています。

配当金は使途自由なお金です。生活のため、生活にゆとりを持つため、一部又は全部を再投資して更にお金のなる木を増やすことができます。今後もお金を使う楽しみを持ちながら、日本経済並びに世界経済の発展とともに、自分自身の資産と配当金が増加していけば嬉しいなと感じております。

中期的には毎年の年間配当金達成目標を掲げています。そのため企業増配による増加を主としながら、+αで自己資金をどの程度捻出すれば良いのか計画しながら目標を達成していきたいです。

――本記事は2024年12月に実施したメールアンケートをもとに構成しました。アンケートにご協力いただきありがとうございます。

「マネクリ」編集部