NISA・クレカ積立を始めたい

最近話題の「FANG+」、なぜ人気? 特徴は? NISAで投資するには…

2025/03/07 08:00

「FANG+(ファングプラス)」はICEデータが算出する株価指数です。NISAでは、同指数を参照するインデックス型ファンドがよく買われているようです。 ではなぜFANG+は人気なのでしょうか。理由を探ってみましょう。 米ハイテク10銘柄へ「等ウェート」で投資 まずは指数の概要を紹介します。 FANG+は、正式に

「FANG+(ファングプラス)」はICEデータが算出する株価指数です。NISAでは、同指数を参照するインデックス型ファンドがよく買われているようです。

ではなぜFANG+は人気なのでしょうか。理由を探ってみましょう。

米ハイテク10銘柄へ「等ウェート」で投資

まずは指数の概要を紹介します。

FANG+は、正式には「NYSE FANG+指数」のことです。アメリカの株価指数で、ハイテク大手10銘柄で構成されます。

「FANG」は、指数の主要4銘柄の頭文字から取られた造語です。4銘柄は、フェイスブック(現・メタ)、アマゾン、ネットフリックス、グーグル(上場持株会社はアルファベット)を指します。

このFANG銘柄に、アップルとマイクロソフトを加えた「FAANMG」銘柄が指数の中核です。

【NYSE FANG+指数の構成銘柄】

・メタ
・アマゾン
・アップル
・ネットフリックス
・マイクロソフト
・アルファベット
・エヌビディア
・サービスナウ
・ブロードコム
・クラウドストライク
※2025年2月25日時点

出所:ICE NYSE FANG+インデックス

指数の特徴の1つが等ウェートです。等ウェートとは、銘柄の組み入れに重みを付けず、均等な構成にする方法を指します。FANG+は10銘柄のため、基本的に10%ずつの組み入れです。

なお、各銘柄で値動きが異なるため、途中で組み入れ比率は変動します。組み入れ比率は、四半期ごと(3月、6月、9月、12月)の定期入れ替えで等ウェートに調整されます。

「S&P 500」をしのぐ収益性 10年で13倍超

FANG+が人気の理由は、高いパフォーマンスにあるとみられます。

アメリカの株式指数は、「S&P 500」が有名です。同指数もトータルリターンが高く、ベンチマークとして参照するインデックス型ファンドは人気があります。

しかし、FANG+のパフォーマンスはさらに上回ります。2014年9月から2025年1月末にかけ、トータルリターンベースの指数は13.8倍に上昇しました。年率では28%と、S&P 500(同13.22%)に2倍以上の差をつけています。ハイテク株へ集中投資する戦略が、相場環境にうまくかみ合いました。

【主要な株価指数のトータルリターン(年率)】

・NYSE FANG+指数:+28.83%
・S&P 500:+13.22%
・S&P 500情報技術指数:+21.57%
・ナスダック100:+18.47%
※2014年9月19日~2025年1月31日
※NYSE FANG+指数の算出開始は2017年9月26日。以前はバックテストに基づく

出所:ICE NYSE FANG+インデックス

FANG+型の4ファンドを紹介 「iFreeNEXT」はつみたて投資枠もOK

FANG+を参照する投資信託は次の4銘柄があります。なお、指数はいずれも配当込みベースです。通貨は「iFreeレバレッジFANG+」のみ米ドルベース、その他は円ベースを参照します。

【NYSE FANG+指数を参照する投資信託

※純資産総額は2025年2月21日時点

純資産総額は「iFreeNEXT FANG+インデックス」が群を抜いています。ほぼ同時期に設定された「FANG+インデックス・オープン」と同じ運用ですが、iFreeNEXT FANG+インデックスはノーロードで設定されました。ノーロードとは、どの金融機関でも販売手数料が無料の投資信託を指します。

ノーロードはNISAのつみたて投資枠の対象商品に求められる条件の1つです。そして、iFreeNEXT FANG+インデックスは、つみたて投資枠でも購入が可能です。同銘柄の純資産総額は、新NISAがスタートした2024年1月から急増しました。純資産総額の差は、つみたて投資枠の対応が影響したと考えられます。

「iFreeETF FANG+」はETF(上場投資信託)です。取引所に上場しているため、株式と同じように何度も売買できます。

「iFreeレバレッジFANG+」は、FANG+(米ドルベース)の2倍程度の値動きとなるよう運用される銘柄です。いわゆる「ブル型」のファンドで、デリバティブを用いることから、成長投資枠を含めNISAで買うことはできません。

リスクは高め 下落相場の損失に注意

米ハイテク10銘柄で構成されるFANG+は、これまで高いパフォーマンスを残しています。同指数を参照するインデックス型ファンドは、より高いリターンを求める投資家には選ばれやすいでしょう。

ただし、リスクは高めです。銘柄が少数かつハイテクへ集中しているため、分散投資の効果は弱いと考えられます。上昇相場では利益を得やすい一方で、下落相場では損失が大きくなりやすいでしょう。

たとえば2022年は株式市場が軟調だった年です。S&P 500は前年末比で18%下落しています。FANG+の下落はさらに激しく、同40%のマイナスとなりました。

FANG+を参照する投資信託も、同じくリスクは高めです。投資は慎重に判断するようおすすめします。

若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。