NISA・クレカ積立を始めたい

今さら聞けない「SCHD」、特徴は? なぜ人気? NISAで投資するには…

2025/03/07 08:00

投信市場で「SCHD」が話題です。関連する投資信託が大きな資金を集めるなど、投資家の期待が寄せられています。 SCHDとはどんな商品なのでしょうか。簡単に解説します。 SCHDとは米国の高配当ETFのこと SCHDは「シュワブ・米国配当株式ETF」のことです。米国に上場するETFで、株価指数「ダウ・ジョーンズUS

投信市場で「SCHD」が話題です。関連する投資信託が大きな資金を集めるなど、投資家の期待が寄せられています。

SCHDとはどんな商品なのでしょうか。簡単に解説します。

SCHDとは米国の高配当ETFのこと

SCHDは「シュワブ・米国配当株式ETF」のことです。米国に上場するETFで、株価指数「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」への連動を目指して運用されます。

ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスは、配当利回りが高い米国株式100銘柄で構成される指数です。ポートフォリオは金融やヘルスケア、生活必需品の比率が高くなっています。

【SCHDの組入上位5セクター(2024年末)】
・金融:18.73%
・ヘルスケア:16.67%
・生活必需品:14.37%
・資本財・サービス:13.28%
・エネルギー:11.67%

【SCHDの組入上位5銘柄(2025年2月24日)】
・コカ・コーラ:4.69%
・アッヴィ:4.68%
・アムジェン:4.45%
・シスコシステムズ:4.38%
・ファイザー:4.26%

出所:シュワブアセットマネジメント シュワブ・米国配当株式ETF

パフォーマンスは金利上昇の年にS&P 500超え

運用成績はどうでしょうか。ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスは、2022年に「S&P 500」を大きく上回る成績を残しました。

2022年は米国が3年ぶりに利上げした年です。金利に上昇圧力がかかり、米10年利回りは前年の1%台から4%台へと急騰しました。

金利の上昇は、一般に株価にはマイナスです。S&P 500も、2022年はおよそ18%下落しています。

一方、ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスは3%程度のマイナスにとどまりました。金融株を多く組み入れることや配当利回りの高さから、金利上昇時は選好されたとみられます。

なお、2023年以降のパフォーマンスはS&P 500に劣後しています。

出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス ファクトシートより著者作成

「楽天・SCHD」と「SBI・SCHD」はNISA対象

SCHDへ投資する投資信託は「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」と「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」があります。いずれも2024年に設定された比較的若いファンドです。

純資産総額は、3ヶ月ほど早く設定した「楽天」の方が大きくなっています。とはいえ、いずれも数カ月で1000億円以上の資金が集まっており、人気の高さがうかがえます。

両ファンドはNISAの対象商品です。いずれも成長投資枠で購入できます。つみたて投資枠では購入できません。

【SCHDへ投資するNISA対象商品】

※純資産総額は2025年2月21日時点

なお、販売会社は限られます。楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)は楽天証券のみ、SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)はSBI証券のみで取り扱っています。

値動きの大きさには注意 リスクはS&P 500と同程度

SCHDは米国の高配当株式で運用されるETFです。ポートフォリオの違いから、S&P 500とは異なる値動きが期待されます。

なお、リスクが小さいわけではありません。ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスのリスク(標準偏差)は、直近5年で年率17.74%と、S&P 500(同18.21%)と同水準です(2025年1月末)。配当利回りが高くても、パフォーマンスの多くは株価の変動が占めると考えられます。

投資の際は慎重に検討し、余裕資金での運用を心がけましょう。

若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。