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春の消費戦線に異常あり? 消費者の本音アンケートから判明した物価高騰でも消費意欲が増加したモノ「ベスト3」とは

2025/03/11 17:00

前月比で消費意欲は大幅増 ただし同月比では過去5年間で最低を更新 今回参考にしたのは株式会社博報堂のシンクタンクである博報堂生活総研による、3大都市圏の20~69歳の男女1500人を対象にした調査だ。「消費意欲※が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(3月)の消費意欲は何点くらいですか?」と質問し、その

前月比で消費意欲は大幅増 ただし同月比では過去5年間で最低を更新

今回参考にしたのは株式会社博報堂のシンクタンクである博報堂生活総研による、3大都市圏の20~69歳の男女1500人を対象にした調査だ。「消費意欲※が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(3月)の消費意欲は何点くらいですか?」と質問し、その平均を「消費意欲指数」として算出している。

※モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求

調査によれば、3月の消費意欲指数は44.0点。2月と比べてプラス3.1ポイント上昇した。例年3月は新年度や新生活に向けた準備などで消費意欲が高まりやすいそうで、今回もそれを裏付ける結果に。しかし昨年3月と比べた場合はマイナス2.5ポイントと低下。過去5年の同月最低値を更新した。特に20代と30代でマイナス幅が顕著だった。

出所:博報堂生活総合研究所 「来月の消費予報・2025年3月(消費意欲指数)」

消費意欲にネガティブな回答は減少も「物価高騰」だけは別

消費意欲指数について、調査ではその点数をつけた理由も聞いている。結果を見ると、ポジティブな回答では、3月(342件)は2月(246件)に比べて大きく増加。逆にネガティブな回答だと、3月(881件)は2月(975件)から大きく減少している。

理由について具体的に見ると、ポジティブな回答では、「(新生活・新年度の準備/春物の服が欲しいなど)季節的な意欲向上」や「(旅行など)出費の予定・欲しいものがある」が増加している。

一方でネガティブな回答では、「今月までに多く使ったのでセーブ」や「欲しいものがない・意欲がない」が減少。しかし「物価高・値上げ・円安」は大幅に増加しており、前年同月と比べても2倍以上の件数になっている。物価高騰だけは別格のようだ。

消費意欲「ポジティブ派」VS「ネガティブ派」 それぞれの声を紹介

調査に寄せられた声を紹介しよう。まずは消費意欲の点数が高いポジティブ派の意見では、「子どもの新学期に向けて買うものが多いから」(80点・女性43歳・大阪府)、「4月からの新年度に向けて、洋服や家電などで古くなったものを買い換えて気分を一新したいから」(80点・男性46歳・東京都)、といった新年度・新学期に向けた準備を挙げる声。

また季節が変わることから、「暖かくなってくる季節なので、服が欲しくなる」(60点・男性30歳・東京都)、「4月に旅行の予定があるので春物が欲しい」(70点・女性52歳・愛知県)、といったコメントもあった。

一方で消費意欲の点数が低いネガティブ派の声を拾ってみると、「全体的に物価が上がっていると感じるので、節約意識が高まっている」(10点・男性50歳・神奈川県)、「何もかも…高騰で不安で、いつなんどき貧困問題にならないように使わない」(0点・女性66歳・岐阜県)、など、節約志向でお金を使う気になれず、なかには0点をつける人もいた。

新生活に関連するカテゴリーでは前月からの増加が顕著

調査では「特に買いたいモノ・利用したサービスがあるか」という質問もしているが、28.7%の人が「ある」と回答。こちらも前月比でプラス6.4ポイントと大幅な増加。しかも先ほどの消費意欲とは異なり、前年同月比でもプラス1.8ポイントの増加だ。

具体的にどのようなカテゴリーで消費意欲が上がったのか。調査では16のカテゴリーで回答を集計。結果、前月比で20人以上の増加となったのは10カテゴリーにのぼった。やはり3月ということで、春物など「ファッション」、春休みもあってか「旅行」や「外食」といったカテゴリーが大きく増加している。

さらに前年比でも「食品」「外食」「家電・AV」の3カテゴリーは20人以上増加。一方で「化粧品」が35人減少するなど明暗を分けている。物価高騰によって消費意欲全体は低調でも、カテゴリーを絞り、メリハリをつけて消費しようという姿勢が浮かび上がる。

出所:博報堂生活総合研究所 「来月の消費予報・2025年3月(消費意欲指数)」

調査概要 調査主体:博報堂生活総合研究所 調査名:来月の消費予報・2025年3月(消費意欲指数) 調査対象:①首都40km圏、②名古屋40km圏、③阪神30km圏の20~69歳の男女1500人 調査期間:2025年2月3日~2025年2月5日

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。