2025年3月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入をみると、3月は外国株式ファンドに1兆2,200億円の資金流入があり、2月の1兆2,400億円とほぼ同規模の流入となった【図表1】。 一般販売されている外国株式ファンドをタイプ別にみると、3月はインデックス型に7,500億円の
2025年3月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入をみると、3月は外国株式ファンドに1兆2,200億円の資金流入があり、2月の1兆2,400億円とほぼ同規模の流入となった【図表1】。
一般販売されている外国株式ファンドをタイプ別にみると、3月はインデックス型に7,500億円の資金流入と2月と同規模であった。その一方で、アクティブ型は流入額が4,100億円と2月の4,600億円から減少した。ただ、2月は新設された非上場株式を組入れるアクティブ型の外国株式ファンドに800億円超の資金流入があった。3月はそのような大規模な新規設定がなかったことを踏まえると、外国株式ファンドはタイプによらず販売が堅調だったといえよう。

例えば、3月に資金流入が大きかった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は9%、米国株式のみの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」にいたっては12%も2月20日から3月14日に基準価額が下落した【図表2:赤太字】。

2024年を振り返ると、2024年7月中旬から8月上旬も多くの外国株式ファンドの基準価額が急落した。外国為替市場で1ドル161円台から一時145円を下回るなど急速に円高が進行したこともあり、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」ともに7月12日から8月6日にかけての下落率は17%だった。それに伴って7月下旬、8月上旬とインデックス型の外国株式ファンドでは売却が膨らみ、純流入も急減していた【図表3】。
あくまでも今後の設定額と解約額の公表を待つ必要があるが、3月の推計の純流入額を見る限りでは、とりあえず外国株式ファンドの販売は変調をきたしていなかったようだ。3月は2024年7月中旬から8月上旬と比べると下落が小さかったため、結果的に静観する人が多かったのかもしれない。


ただし、インデックス型の国内株式ファンドには3月3日以降も国内株式の下落に伴って資金流入しているが、下落幅が大きい割に流入額が3月3日と比べて小規模にとどまっている。国内株式が想定外の大幅下落になっているためか、追加投資できない人が増えてきているのかもしれない。
