老後資金の不安 最多は「年金制度」
まずは老後資金について具体的にどのような点に不安を感じているのかを見ていこう。今回参考にするのは株式会社AlbaLinkによる全国の男女500人を対象にした調査だ。
結果を見ると、最も回答率が高いのは「十分な年金をもらえない」(37.8%)。少子高齢化で保険料を払う人が減少していくなかで、将来的の年金支給額の水準に不安を抱く人は多いようだ。
次いで多いのは「物価が上昇する」(33.4%)。物価上昇が続き生活が苦しいと感じる人は多いだろうが、当然これは老後生活にも言えること。2019年頃に老後資金が2000万円必要だとするいわゆる「老後2000万円問題」が大きく報じられた。
さらに、2024年には物価高を受けて老後資金が4000万円必要ではないかとする報道も出て話題となってもいる。回答から察するに、物価上昇により必要となる老後資金額が増えることには少なくない数の人が懸念を抱いているようだ。
また「医療費が高額になる」(31.0%)、「介護費用の用意」(17.2%)も上位に。高齢になって体が衰えてくるなかで、医療費や介護費がかかってくる。老後特有の不安と言えるかもしれない。

老後資金の準備に不安を抱えている人が7割以上
老後2000万円問題が以前大きく報じられたように、余裕のある老後生活を送るにはある程度まとまった資金が必要になりそうだ。しかし日々の生活費は確保しないといけないし、子育て世代ならば子どもの教育などにもお金かかるだろう。本当に老後資金を貯められるのだろうか。
調査によれば、老後資金を準備できると思う人(「十分に準備できる」+「ある程度準備できる」)は29.4%にとどまった。多数の人はやはり準備できないと考えているようで、「全く準備できない」とあきらめムードの人も29.8%にのぼった。

●気になる老後の資金対策については、後編「老後の資金対策「有価証券の購入」「節約」「副業」を抑えて1位となった方法は?」で詳報している。
調査概要 調査主体:株式会社AlbaLink 調査名:老後の資金対策に関する意識調査 調査対象:全国の男女500人 調査期間:2025年3月26日~2025年3月27日
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。