調査は2024年中に新NISAで金融商品を購入した全国の10代~70代の男女7610人を対象に実施。購入・売却金額、購入・売却銘柄数、購入・売却商品とその理由や損益などを聞いている。そのうち20代以下に絞った「成長投資枠」の投資額について傾向を見ていこう。
【男性20代以下】成長投資枠の投資額は「20万円~50万円未満」がトップ

男性20代以下「成長投資枠」購入金額ランキング
1位 20万円~50万円未満 21.5%
2位 10万円未満 19.3%
3位 50万円~100万円未満 15.0%
4位 10万円~20万円未満 14.0%
5位 240万円 12.6%
6位 100万円~150万円未満 10.3%
7位 150万円~200万円未満 4.1%
8位 200万円~240万円未満 3.2%
(n=507)
男性20代以下の新NISA「成長投資枠」の購入額は、「20万円~50万円未満」が21.5%でトップ。2位は「10万円未満」で19.3%、3位は「50万円~100万円未満」で15.0%と続く。比較的少額帯から中額帯での投資が主流となっているようだ。
一方で「240万円」の高額投資も5位で12.6%となっているように、リスク許容度が高く、成長性を求める積極的な投資傾向も一定数見られた。なお平均購入額は約79.1万円。
●関連記事【20代】新NISA「つみたて投資枠」投資額ランキング「速報版」
【女性20代以下】成長投資枠の購入額1位は「10万円未満」で3割超
女性20代以下の「成長投資枠」購入額は「10万円未満」が31.1%と最も多く、3割以上を占めた。

※編集部注:150万円~200万円未満と200万円~240万円未満はデータ記載なしのため推定値
女性20代以下「成長投資枠」購入金額ランキング
1位 10万円未満 31.1%
2位 10万円~20万円未満 20.6%
3位 20万円~50万円未満 20.1%
4位 50万円~100万円未満 13.4%
5位 240万円 7.2%
6位 100万円~150万円未満 4.3%
(n=209)
※編集部注:150万円~200万円未満と200万円~240万円未満はデータ記載なしのため除外(以上により合計は100%に満たない)
2位は「10万円~20万円未満」で20.6%、3位は「20万円~50万円未満」で20.1%となっている。
このように女性20代以下の成長投資枠では、50万円未満の投資が全体の7割以上を占めており、つみたて投資枠と同様に慎重な投資姿勢が見られる。100万円以上の高額投資は少数派で、全体の約1割に留まる。少額から手の届きやすい範囲で投資を始める傾向が強いようだ。無理をせず成長投資枠を有効活用している姿が垣間見える。なお平均は51.1万円だった。
20代以下の成長投資枠の活用法
資産形成において20代以下の人たちには時間がたくさんある。運用における長期投資のメリットは複利効果の最大化とリスク分散の強化にある。短期で市場が変動しても、その後に回復を期待できる長い時間の余裕がある。若い世代にとって時間は最大の資産であり、これを活用することで将来の経済的な安定を築く礎となることが期待される。
ただし運用には注意点もある。まずはリスク許容度をしっかりと把握することが重要だ。高リスク・高リターンの商品を選ぶことも可能だが、自身の経済状況や将来設計に合った選択を心がけるべきだろう。また、投資先を分散することでリスクを軽減し、安定した運用を意識することも忘れないでほしい。無理のない範囲で少額から始め、長期的な成長を目指すことが鍵となる。
調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。