最新の家計調査報告が示す消費トレンド
総務省が2025年4月4日に発表した「家計調査報告-2025年(令和7年)2月分-」によると、2人以上世帯の消費支出は29万511円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.5%の減少となりました。食料費は前年同月比で4.5%減少、家具・家事用品は8.7%減少している一方で、教養娯楽費は2.6%増加するなど持ち直しの動きが見られています。
調査結果からは、消費者の日々の生活必需品に対する節約志向と、体験や自己投資への意欲の高まりが見て取れます。佐藤さん夫婦のように、抑えるべきところは抑え、楽しむべきところにはお金をかけるという、“メリハリ消費”を実践する消費者も多いようです。
都内在住・30代共働き夫婦の奮闘記
東京都江東区に住む佐藤美咲さん(仮名・32歳)と夫の健一さん(仮名・34歳)は、共働きで世帯年収850万円の若手共働き夫婦です。美咲さんは広告代理店のアカウントマネージャー、健一さんはIT企業のエンジニアとして働いています。
「物価高で家計が圧迫されているのを実感します。特に食費は要注意です」と美咲さん。
以前は何気なく買い物をしていた2人でしたが、昨年から本格的な家計管理を始めました。
「アプリでスーパーのチラシをチェックして、特売日に買い物に行くようになりました。野菜は旬のものを選び、肉は100g単位で必要な分だけ購入。冷凍保存も活用しています」
休日には2人で近所のスーパーを3軒はしごすることも。「最初は面倒くさいと思っていたんです」と健一さん。
「でも、同じ商品でも店によって価格が全然違うことに気づいて。今では『あのスーパーのお肉が安い!』って2人で情報交換するのが日課になりました。少し離れたスーパーにいく時は、『歩く距離が増えれば健康にも良いはず』と、ポジティブに考えるようにしています」
美咲さんは家計簿アプリを活用し、支出を細かく管理。
「私たちの場合、食費は月7万円が目標です。外食を減らして自炊を増やしたことで、先月は6万2000円に抑えられました」と胸を張ります。
健一さんも「外食は月2回までと決めて、お弁当を持参するようになりました。これだけで月1万円以上の節約になります。同僚から『最近お弁当のレパートリー増えたね』って言われるのが密かな自慢です(笑)」と話します。
休日の過ごし方も工夫しています。「以前は何となくショッピングモールで時間を潰していましたが、今は近所の公園でピクニックを楽しんだり、図書館で過ごしたり。お金をかけなくても充実した休日を過ごせることに気づきました」と美咲さん。
食費で浮いたお金を回して趣味の旅行を存分に楽しむ
一方で、2人が決して諦めていないのが趣味の旅行です。
「毎月の食費を3万円削減できたので、その分を旅行資金に回しています。先月は箱根で2泊3日の温泉旅行を楽しみました。『また来たいな。そのために仕事を頑張ろう!』と思えるから、旅行はこれからも続けたいです。次の長期休みには北海道旅行を計画中です」と美咲さん。
「出費にメリハリをつけることで、本当に大切にしたいことにお金を使えるようになりました。将来は子どもも欲しいので、今のうちに賢い家計管理の習慣をつけておきたいんです」と健一さんも満足げです。
今回の家計調査からは、佐藤さん夫婦のような"賢い消費"が広がっていることが分かります。食料支出が5カ月連続で前年を下回る一方、旅行などの教育娯楽関連支出が増加傾向にある背景には、限られた収入の中で最大限の生活満足度を得ようとする、現代の消費者の賢明な選択が表れていると言えるでしょう。
※データ出所:総務省「家計調査報告-2025年(令和7年)2月分-」
※本記事は、総務省「家計調査報告-2025年(令和7年)2月分-」をもとにAIが生成したエピソードを編集者が精査し、加筆修正を行ったものです。
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