国土交通省観光庁は3月31日、「宿泊旅行統計調査(2025年1月・第2次速報、2025年2月・第1次速報)」を発表しました。日本国内の宿泊施設における日本人と外国人の宿泊状況は、1月の延べ宿泊者数4888万人泊(前年同月比+7.1%)、2月は4833万人泊(前年同月比+1.0%)と増加傾向が続いています。
特に注目すべきは、外国人延べ宿泊者数の大幅な伸びです。観光庁の発表によると、2025年1月の外国人延べ宿泊者数は前年同月比34.8%増、2月は15.5%増と大幅な回復を見せています。また、2025年2月のビジネスホテルの稼働率は74.4%、シティホテルの稼働率は71.2%と高い水準にあり、インバウンド需要の回復が両タイプのホテル稼働率を押し上げていることが示唆されます。全体の客室稼働率は、大阪府が71.7%と全国で最も高い結果となりました。
「お客様の笑顔が戻ってきた」大阪・ミナミのホテルの場合
中村智子さん(45歳)は、大阪・ミナミにあるビジネスホテルの支配人です。2020年から支配人を務め、コロナ禍での苦境も経験してきました。
「本当に観光客の方々の笑顔が戻ってきましたね」と中村さんは晴れやかな表情で語ります。
「特に今年の1月は予約が殺到して、私たちのホテルも稼働率70%を超えました。スタッフ一同、嬉しい悲鳴です」
中村さんのホテルでは、インバウンド需要の回復に向けて様々な取り組みを行ってきました。
「まず多言語対応のスタッフを増やしました。今では英語、中国語、韓国語に対応できるスタッフが常駐しています。また、館内の案内表示も全面的に見直して、ピクトグラムを活用した分かりやすい表示に変更しました」
地域連携にも力を入れた結果、リピーターも増加
特に力を入れたのが、地域との連携だったといいます。
「近隣の飲食店や観光スポットと協力して、オリジナルの観光マップを作成しました。外国人観光客に人気の店舗には、私たちのスタッフが直接足を運んで、メニューの多言語化をお願いしたんです。『おもてなしは地域全体で』という考えですね」
その努力が実を結び、口コミサイトでの評価も上昇。リピーターも増えてきているそうです。
「先日、台湾からのお客様が『前回の滞在が良かったので、今回も選びました』とおっしゃってくださいました。そういう言葉を聞くと、本当にやりがいを感じます」
データが示す、インバウンド復活の実態
中村さんのホテルの成功は、決して偶然ではありません。観光庁の統計によれば、2025年1月の外国人延べ宿泊者数は全体の31.0%を占めるまでに回復。特にシティホテルの稼働率が71.2%に達するなど、インバウンド需要の回復が顕著です。
一方で、日本人宿泊者数は1月が前年同月比-2.0%、2月が-3.6%と微減傾向。日本人宿泊者数の微減は、全国旅行支援の終了による反動や物価高の影響に加え、少子高齢化による旅行者数の減少といった要因が複合的に影響していることが考えられます。また、日帰り旅行へのシフトや景況感の悪化なども、宿泊控えにつながっている可能性がありそうです。
中村さんは「インバウンドと国内需要の両立が次の課題」と語ります。
「外国人観光客の方々に喜んでいただけるのは嬉しいことですが、日本のお客様にも引き続き選んでいただけるホテルでありたい。そのためにも、サービスの質を落とさず、適正な価格設定を心がけていきたいですね」
●観光庁のデータからは日本人宿泊者数減少の課題も見えてきました。その一方で、メリハリをつけた家計管理を行うことで、趣味の旅行を存分に楽しんでいる人たちもいるようです。【「食費は節約、趣味には投資!」30代共働き夫婦がメリハリ出費でかなえた"賢い家計管理術"】で詳説します。
※データ出所:国土交通省観光庁「2025年1月および2月の宿泊旅行統計調査」
※本記事は、統計データをもとにAIが生成したエピソードを編集者が精査し、加筆修正を行ったものです。
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