【70代】金融資産保有額ランキング 老後資金が2000万円以上ある世帯はいったい何割? 【最新版】

2025/04/29 12:00

70代の7割強は生活費以外に「金融資産を保有」 全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から70代の回答をランキングで見ていきましょう。まずは「金融資産」についてです。 ※家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以

70代の7割強は生活費以外に「金融資産を保有」

全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から70代の回答をランキングで見ていきましょう。まずは「金融資産」についてです。

※家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)

70代の金融資産の有無(総世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※総世帯、実数1591)

保有している    77.2%
保有していない    22.8%

70代で金融資産を保有している世帯の割合を見ていきましょう。調査によれば、金融資産を「保有している」と回答した割合は77.2%でした。一方で「保有していない」という回答も22.8%ありました。昨今は高年齢者の就業率が増えているという報道も見かけますが、中には現在も働きながら収入を得ている分が含まれているのかもしれません。

70代に支持されている金融商品は?

次に70代のみなさんがどのような金融商品を持っているのかを見ていきましょう。

70代保有金融商品ランキング(総世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※総世帯、実数1591世帯、複数回答)

1位    預貯金(ゆうちょ銀行の貯金を含む)    97.7%
2位    株式    36.5%
3位    積立型保険商品(生保・損保)    34.7%
4位    投資信託(MRF、MMF、REITなどを含む)    27.1%
5位    個人年金保険    16.8%

70代に支持されている金融商品の1位は「預貯金」(97.7%)でした。「株式」(36.5%)が続きます。高年齢層ではリスク資産の比率を下げた守りの資産運用を、という声もありますが、株式の人気は高年齢層でも決して低くないようです。僅差で3位は「積立型保険商品」(34.7%)。万が一の保証という機能性にメリットを感じている人もいるのでしょう。

70代単身者の金融資産額 2位「1000万~1500万円未満」、1位は?

次に70代のみなさんの金融資産保有額を単身世帯と二人以上世帯に分けて見てみましょう。

70代の金融資産保有額ランキング(単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※金融資産保有世帯、実数371世帯)

1位 3000万円以上    21.8%
2位    1000万~1500万円未満    12.1%
3位    500万~700万円未満    10.0%
4位    2000万~3000万円未満    8.4%
5位    700万~1000万円未満    8.1%

まずは単身世帯です。調査によれば、最も回答率が高いのは「3000万円以上」で21.8%。「1000万~1500万円未満」(12.1%)、「500万~700万円未満」(10.0%)と続きますが、1位が2位以下を2倍近く離す結果に。

また、老後資金の目安として2000万円という金額が取りざたされますが、70代単身世帯で2000万円以上の金融資産を保有している割合は30.2%にとどまりました。

なお平均額は2257万円、中央値は1000万円でした。中央値とはデータを並べた時にちょうど真ん中に来る値です。平均額は、高額な値が押し上げている可能性があるため、中央値も確認しておきましょう。

70代「二人以上」世帯で「3000万円以上」は何位?

次に70代二人以上世帯の金融資産保有額のグラフは以下のとおりです。

70代の金融資産保有額ランキング(二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※金融資産保有世帯、実数858世帯)

1位 3000万円以上    24.0%
2位    1000万~1500万円未満    12.9%
3位    2000万~3000万円未満    11.2%
4位    1500万~2000万円未満    8.3%
5位    700万~1000万円未満    8.0%

70代の二人以上世帯の金融資産保有額で最も回答率が高かったのは「3000万円以上」(24.0%)。単身者と同じ結果でした。2位は「1000万~1500万円未満」(12.9%)、3位は「2000万~3000万円未満」(11.2%)で、2000万円以上の割合は35.2%。平均額は2450万円で、単身者(2257万円)に比べて193万円高い水準でした。中央値は1205万円と、単身者より205万円多くなっています。

70代の金融資産、単身者・二人以上世帯とも「3000万円以上」が最多

70代の金融資産保有額は、単身世帯も二人以上世帯も最も回答率が高いのは「3000万円以上」でした。ただし2000万円以上の割合はいずれも約3分の1でした。老後2000万円問題が注目を集めましたが、70代で実際に2000万円以上を保有している人は多数派とはいえないようです。70代であれば既に公的年金を受給している人が大半でしょう。それらを併せながら日々の生活をやりくりしていると見込まれます。
●70代が持つ金融資産の内訳は?後編「【70代】預貯金、株式、投資信託、いったいいくら保有しているのか?【最新版】」にて詳報している。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。