【60代】金融資産保有額ランキング 「2000万円」を超える世帯は何割?【最新版】

2025/04/30 11:00

60代の金融資産の保有率は8割近く  全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から60代の回答をランキングで見ていきましょう。まずは「金融資産」についてです。 ※家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯、単

60代の金融資産の保有率は8割近く 

全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から60代の回答をランキングで見ていきましょう。まずは「金融資産」についてです。

※家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査)

60代の金融資産の有無(総世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※総世帯、実数1451世帯)

保有している    77.4%
保有していない    22.6%

60代で金融資産を「保有している」と回答した世帯の割合は77.4%。8割近い人が金融資産を保有している一方で、「保有していない」と回答した世帯も22.6%と一定数存在することが明らかになりました。

60代が保有する金融商品 2番目に人気なのは  

60代のみなさんはどのような金融商品を持っているのでしょうか。

60代保有金融商品ランキング(総世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※総世帯、実数1451世帯、複数回答)

1位    預貯金 (ゆうちょ銀行の貯金を含む)   97.1%
2位    株式    35.4%
3位    積立型保険商品 (生保・損保)   34.2%
4位    投資信託(MRF、MMF、REITなどを含む)    31.2%
5位    個人年金保険    26.6%

60代の保有割合が高い金融商品の1位は「預貯金」で97.1%でした。一方で2位には「株式」(35.4%)がランクインしています。安全資産だけでなく、株式などリスク資産も保有している人が一定数いるようです。株式を保有しながら配当金を得ることで、年金代わりにしている人もいるのかもしれません。

また僅差で3位には入ったのは「積立型保険商品」でした。資産形成だけではなく、なにかあった場合にお金を残せる保険機能に注目している人もいるようです。

60代単身世帯の金融資産 2位は「100万円未満」、1位は?

60代が持つ金融資産額について、単身世帯と二人以上世帯に分けてそれぞれ詳しく見てみましょう。

60代の金融資産保有額ランキング(単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※金融資産保有世帯、実数310世帯)

1位 3000万円以上    23.2%
2位    100万円未満    12.3%
3位    1000万~1500万円未満    11.3%
4位    2000万~3000万円未満    8.4%
5位    500万~700万円未満    8.1%

60代単身世帯の金融資産の保有額1位は、最高額の選択肢である「3000万円以上」で23.2%でした。老後2000万円問題が話題になりましたが、4位の「2000万~3000万円未満」(8.4%)も含めて、それ以上の金融資産を築いている世帯が3割以上いるという結果となりました。

一方、2位にランクインしたのは最低額の選択肢である「100万円未満」で12.3%でした。両極端な層が上位に混在するという結果でした。なお平均額は2363万円です。平均額は高額層が押し上げている可能性があるため、中央値も確認しておきましょう。中央値とは、数値データを並べた時に中央に来る値のことで、60代単身世帯では960万円でした。

60代二人以上世帯の1位は「3000万円以上」

60代が世帯主の二人以上世帯の金融資産保有額のグラフは以下のとおりです。

60代の金融資産保有額ランキング(二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※金融資産保有世帯、実数813世帯)

1位 3000万円以上    25.1%
2位    1000万~1500万円未満    11.2%
3位    2000万~3000万円未満    10.1%
4位    100万円未満    8.1%
5位    500万~700万円未満    7.9%

60代の二人以上世帯の金融資産保有額で最も回答率が高いのは単身世帯と同様に「3000万円以上」で25.1%でした。次いで「1000万~1500万円未満」(11.2%)、「2000万~3000万円」(10.1%)となりました。

単身世帯で2位だった「100万円未満」は4位(8.1%)でした。平均は2581万円で単身世帯(2363万円)より200万円ほど高い水準という結果に。中央値は1140万円と、こちらも単身世帯(960万円)より約200万円多い水準です。

60代、「3000万円以上」持つ世帯が多いものの…

調査結果から単身世帯、二人以上世帯とも、金融資産保有額で最も回答率が高いのは「3000万円以上」であることが明らかになりました。一方で特に単身世帯では「100万円未満」という回答が上位になっており、金融資産の形成が順調な層とそうでない層が混在する結果となりました。もちろん実際には退職金や公的年金、あるいは自宅など実物資産もあれば、それらを考慮して総合的に老後のマネープランを考えている人もいることでしょう。

●気になる商品別の保有額は後編「【60代】預貯金、株式、投資信託、いったいいくら保有しているのか?【最新版】」にて詳報している。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。