初任給の使い道で1位は?
今回参考にするのはソニー生命保険が2025年春(4月)から働き始める社会人1年生500人と、就職してから1年が経つ社会人2年生500人を対象とした調査。最初に初任給の使い道について聞いている。

結果を見ると、社会人1年生で最も回答率が高いのは「貯蓄に回す」(35.8%)。次いで「生活費に充てる」(26.8%)、「自分にちょっと良い物を買う」(23.4%)と続く。
社会人2年生の順位も同様で「貯蓄に回す」(29.2%)、「生活費に充てる」(25.6%)、「自分にちょっと良い物を買う」(20.6%)だった。
社会人1年生と2年生を比較すると、回答で差が5ポイント以上開いているのは、「貯蓄に回す」(社会人1年生35.8%、社会人2年生29.2%)、「新生活で必要なものを買う」(社会人1年生19.0%、社会人2年生12.4%)だった。いずれも社会人1年生の回答率が高い。
社会人になって身だしなみや自己投資などにお金を使うようになった人もいるのでは。同調査では社会人1年目でかかった金額について社会人2年生に質問し、主な費目別に金額の平均を算出している。

その結果、「身だしなみ(スーツ・化粧品など)」の平均金額は4万4078円。「自己投資(資格取得、セミナー参加、書籍購入など)」は2万2333円。「プライベートな付き合い・交際」は19万3693円。「実家に入れた金額」は14万4074円だった。
男女別では、「プライベートな付き合い・交際」で2万1366円の差(男性18万3010円、女性20万4376円)がついており、女性のほうが高かった。
節約志向? 社会人1年目にかかった金額は減少傾向
社会人1年目にかかった金額だが、昨年と比較してなにか変化はあったのだろうか。調査結果を見ると、「身だしなみ(スーツ・化粧品など)」は4351円の減少。「自己投資(資格取得、セミナー参加、書籍購入など)」は2962円の減少。「プライベートな付き合い・交際」は9297円の減少。「実家に入れた金額」は9814円の減少。質問した4項目全てが昨年を下回る結果に。物価高の影響もあるのか、社会人1年目の支出には減少傾向がみられた。

社会人1年目の貯蓄額は二極化
社会人1年目の貯蓄状況はどうだろうか。社会人2年生に聞いた結果を見ると、貯蓄した金額で最も回答率が高いのは「100万円以上」(26.0%)。次いで「10万円未満」(19.8%)、「50万円~100万円未満」(16.2%)と続く。一方で「0円」(16.0%)と回答した人も。貯められている人とそうでない人で二極化しているようだ。
平均は52万円で、昨年の49万円から3万円上昇。貯蓄志向が示唆される結果に。

30歳時点の目標貯蓄額 「2000万円以上」が約1割
将来の貯蓄額はどれくらいを見込んでいるのか。同調査では「30歳時点の目標貯蓄額」を聞いている。結果を見ると、社会人1年生で最も回答率が高いのは「500万円~600万円未満」(17.0%)。次いで「1000万円~2000万円未満」(15.6%)、「2000万円以上」(12.8%)と続く。

社会人2年生も「500万円~600万円未満」(19.4%)が最も回答率が高いが、2位は「100万円未満」(19.0%)。「100万円未満」は社会人1年生と2年生でギャップが最も大きい(社会人1年生11.2%、社会人2年生19.0%)。社会人1年目が経過して、当初思い描いた通りに貯められなかったという人もいるのかもしれない。
平均では、社会人1年生が963万円に対して、社会人2年生が1012万円と49万円高い結果になっている。
●貯蓄と並んで気になるのが年収だが、後編「若手社会人1000人が回答、将来の目標年収は「1000万円」、それとも?」で詳しく説明している。
調査概要 調査主体:ソニー生命保険株式会社 調査名:社会人1年目と2年目の意識調査 調査期間:2025年2月28日~2025年3月10日 調査対象:2025年春(4月)から働き始める社会人1年生、または、就職してから1年が経つ社会人2年生で20~29歳の男女1000人(社会人1年生500人、社会人2年生500人)
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。