今年55歳を迎える辻堂さん(仮名)は、同い年の夫と22歳の娘と暮らしています。「100まで生きたい。100歳超えも大歓迎」と考えていますが、ただ長生きするだけでなく、健康で自立した生活を送ることが彼女の目標です。辻堂さんが老後に向けてしている準備と、その根底にある考え方を見ていきましょう。
<読者プロフィール>
女性
50代
九州・沖縄地方在住
会社員
100歳を見据えた老後の優先事項は“健康”、その理由は?
「いつまでも自分の足で歩き、とびきりのお金持ちになる必要などなく、ボケない頭で平凡につつましく暮らしていければ良い」
これが辻堂さんにとっての理想の老後です。将来に向けてお金を貯めることが大切だと認識しつつも、それ以上に重視しているのは健康管理なのだそう。辻堂さんはその理由をこのように語っています。
「はっきり言って、大金を持っていても年老いてから贅沢に使い果たそうとする体力、気力はありません。お金は大事ですが、最も大事なのは健康。健康あってのすべてです」
「『若いうちにお金を貯められるだけ貯める』ばかりが大切なわけではありません。そりゃ、大事なことだとは思いますけどね。夫婦共働きを長くしていますので、真面目に働き、無理のない範囲で貯金をして、と今まで通りで良いと思っています」
老後の生活費は多くの方にとって悩みの種となっています。辻堂さんのように“自分にとっての幸せな暮らしは何か”を考え、可能な範囲で準備に取り組むことは、不安軽減の第一歩となるでしょう。
「70や80になったら…」健康管理と並行で進める断捨離
辻堂さんは健康管理に取り組む中で、特に飲酒については慎重な姿勢を取っているとのこと。
「健康のために今から気をつけなければならないのは、日々の運動、暴飲暴食を防ぐこと、くらいでしょうか。お酒は飲みますが、大好きではないし、晩酌もなし。たまの飲み会で飲むくらいです。肝臓に余計な負担をかけたくないなと思うのでそうしているんです」
また、それらと並行して、辻堂さんが力を入れていることがもう1つあります。それは断捨離です。
「持ち家に住んでいますが、大して広くない我が家にモノがあふれかえっています。洋服、本、CD……挙げていくとキリがないですね」
断捨離は思い出に浸ってしまったり、愛着を感じてしまったりして、思うように進められないこともあります。辻堂さんはどのような基準で捨てる・捨てないを判断しているのでしょうか。
「1年以上着ない服、読まない本は、今後も着ない・読まないだろうと思って、せっせと捨てています。その他の家具、雑貨など毎回断捨離するたびにゴミが大量に出るので、市のゴミ処理場に持ち込んでいます」
対して、一緒に暮らす夫は断捨離に対して消極的とのこと。夫婦で協力して断捨離を進めるべく、辻堂さんは“今やるべき理由”を伝えて説得しているといいます。
「断捨離するよと言うと、主人は『面倒くさい』と言い嫌な顔をします。そのたびに『70や80になったら足腰もだんだん弱ってくるから、整理整頓やゴミ捨てはようできないよ! まだ私らは50代。少しでも若いうちに、年を取ってから苦労しないように、断捨離を地道に進めておかないといかん!』と力説しているんです」
この2年ほどで不要なものをたくさん処分してきたそうですが、まだ片付いた実感はそれほどないとのこと。
「今後も無理のない範囲で断捨離を進めます。そして我が家にスペースが空いたら、実行したい夢があるんです」
●辻堂さんが持つ断捨離への高いモチベーションには、“長年の夢”が関係していました。すっきりと片付いた家で実現したいこととは何なのでしょうか? 後編【「余白が多い家になった暁には…」55歳女性がモノの溢れる自宅で“本気の断捨離”開始、その先に実現したい「長年の夢」とは】で、詳説します。
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