NISA・クレカ積立を始めたい

2026年に導入を検討 高齢者向け「プラチナNISA」への本音 利用したい人はいったい何割?

2025/05/14 17:00

「プラチナNISA」最も利用に前向きな世代は? 高齢者の資産運用を支える制度として、「プラチナNISA」の創設が金融庁で検討されている。運用益などから毎月、分配金を支払う「毎月分配型」の投資信託を対象に含める方向だ。 こうした中で、家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する株式会社400Fは、新NISAの施策に関

「プラチナNISA」最も利用に前向きな世代は?

高齢者の資産運用を支える制度として、「プラチナNISA」の創設が金融庁で検討されている。運用益などから毎月、分配金を支払う「毎月分配型」の投資信託を対象に含める方向だ。

こうした中で、家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する株式会社400Fは、新NISAの施策に関するアンケート調査を実施。「金融庁がプラチナNISAの創設を検討していることをご存知ですか?」という質問に対して、「知っている」と答えた人は50.3%、「知らない」は49.7%。認知度はちょうど二分される結果となった。

さらに、プラチナNISAに関する利用意向についても質問。「『プラチナNISA』が創設されたら、(65歳以降に)利用したいと思いますか?」と尋ねたところ、結果は次のとおりだった。

出所:株式会社400F「オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査」

「利用したい」と答えた人は、4割弱(38.9%)にとどまっている。調査対象者に限っていえば、制度の存在を知っていても具体的な活用を想定している人は、まだ多くはないようだ。

ただし興味深いのが、年代ごとに傾向が異なる点だ。調査結果によれば、年代が上がるにつれて利用に前向きな声が増加。60代以上では約半数にあたる48.5%が「利用したい」と回答しており、対象世代を中心に一定の期待が寄せられていることがうかがえる。

毎月分配型の利用を希望する割合は?

65歳以上という年齢制限がある予定のプラチナNISAでは、毎月分配型の投資信託が対象商品に含まれる方向で検討が進められている。では、プラチナNISAではなく新NISAに導入された場合、どの程度の人が利用したいと考えているのだろうか。

同調査では『「毎月分配型」の投資信託が年齢にかかわらず新NISAの対象になったら』と質問している※。結果によると、「利用したい」と回答したのは全体の31.1%だった。

※続く質問はいずれも複数回答可

出所:株式会社400F「オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査」

さらに、プラチナNISAに対するイメージについて聞いたところ、最も多かったのは「元本の取り崩しが不安」(33.0%)という、元本割れを心配する声だった。次いで、「長期投資に向かないと思う」(28.7%)という声も。分配金の原資に元本が含まれる可能性を懸念し、長期的な資産形成には不向きと感じている人も一定数いるようだ。

反対に、プラチナNISAにどのような機能が加われば魅力的と感じる人が増えるのか。同調査で尋ねた結果は次のとおりだ。

出所:株式会社400F「オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査」

すでに保有している資産を有効活用したいという意識や、相続をスムーズに進めたいといった意識がうかがえる。制度への関心が限定的にとどまる一方で、「もし実現するなら、こうあってほしい」という具体的な要望は、確かに存在しているようだ。

●気になる「こども支援NISA」(仮称)については後編「議論が進む「こども支援NISA」 30代以降では関心が集まるものの…利用者が本当に新NISA制度に期待しているものは?」にて詳報している。

《調査概要》 調査名:「オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査」 調査主体:株式会社400F 調査期間:2025年4月18日~2025年4月20日 回答者:全国の「オカネコ」ユーザー370人 調査方法:WEBアンケート

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。