「賞与をもらってから転職」が半数を超える
賞与では基本給の何カ月分という、まとまったお金が入ることもあるだろう。転職を検討している人のなかには、賞与をもらってから転職するという人もいるのでは。今回参考にするのは、株式会社マイナビによる従業員3人以上の企業に所属している全国20代~50代の正社員を対象にした調査。前月に転職活動を行った、もしくは今後3カ月で転職活動を行う予定の1366人が回答している※。
※3カ月以内に中途入社した人を除く

結果を見ると「今年の夏の賞与をもらってから転職する予定だ」と回答した人は58.3%※と半数を超えた。割合の高さは若年層ほど顕著で、20代では66.4%に達している。企業にとって賞与支給のタイミングは、若手を中心に離職リスクが高まる時期といえるかもしれない。
※「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」の合計
もし賞与が予想より多かったら転職を見送ることもあるのか。同調査によれば、「今年の夏の賞与の金額が高かったら転職するのをやめるかもしれない」と回答した人は51.5%※。こちらも若年層ほど割合が高く、20代では63.1%にのぼった。
※「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」の合計
賞与が高いと離職抑止になる?
前問では「今年の夏の賞与の金額が高かったら転職するのをやめるかもしれない」と回答した人は5割強にのぼったわけだが、実際に「予想より賞与額が高かったので転職するのをやめたことがある」と回答した人はどれほどいるのだろうか。調査の結果を見ると33.3%が「ある」と回答した。なお転職を思いとどまった際の賞与額の全体平均は107.1万円だった。20代から40代まではいずれも80万円台後半だった。175.3万円と2倍近い金額だった50代が全体平均を押し上げたと考えられる。

転職を決意したときの賞与額は平均で40万円を下回る
先の問いでは予想より賞与額が高かったので転職するのをやめたことがある人は約3割にのぼるという結果だった。では賞与額が少ないから転職したという人はいるのだろうか。同調査によれば、「賞与が少なかったために転職した経験がある」と回答した人は69.1%にのぼった※。
※「1番大きな転職理由だった」と「1番ではないが転職理由だった」の合計
賞与の少なさが転職の1番大きな理由だった割合は若年層ほど高まるようで、20代では73.2%だった。賞与の少なさが転職へのモチベーションの1つになっているようだ。また転職の理由となった賞与額の平均は38.2万円で、先ほどの転職を思いとどまったときの平均賞与額(107.1万円)の3分の1程度という結果だった。

●自身の成果がきちんと賞与に反映されていないと不満の人もいるのでは。後編「気になる夏のボーナスの理想と現実、ギャップはいくら? 年代別の傾向が明らかに」を参考にしてほしい。
調査概要 調査名:マイナビ 2025年夏ボーナスと転職に関する調査 調査主体:株式会社マイナビ 調査対象:従業員数3人以上の企業に所属している20代~50代の正社員で前月に転職活動を行った、もしくは今後3カ月で転職活動を行う予定の人(3カ月以内に中途入社した人を除く) 有効回答数:1366件 調査期間:2025年5月1日~2025年5月7日
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。