iDeCoの総加入者数は前年同月比9.7%増
iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の最新概況が2025年7月1日に国民年金基金連合会より発表され、2025年5月の新規加入者数は2万8918人(前年同月比87.5%)、加入者総数は366万7361人(同109.7%)となった。
新規加入者数の内訳は、第1号加入者(自営業者等)が3594人(同72.8%)、第2号加入者(会社員・公務員)が2万4243人(同92.3%)、第3号加入者(専業主婦・主夫)が782人(同53.6%)。
iDeCo新規加入者数の推移(2025年5月)拡大表示
なお、iDeCoの全体の平均掛金額は1万6668円。内訳は第1号加入者が2万7526円、第2号加入者が1万5362円、第3号加入者1万4314円となっている。拠出限度額が高い第1号加入者が多い。
また、従業員のiDeCoに企業が掛金を上乗せ拠出するiDeCo+(イデコプラス、中小事業主掛金納付制度)は9073事業所(同117.7%)で実施、対象者数は5万7914人(同117.8%)となった(2025年5月末)。
iDeCo「元本確保型のみ」の人が約2割
iDeCoを含む確定拠出年金(DC)の運用商品や運営管理機関の様々な課題等について切り込んだ金融庁の「資産運用サービスの高度化に向けたプログレスレポート2025」(6月27日公表)から元本確保型商品の運用実態を見ていこう。
このレポートではDCについて、サービスが加入者等の最善の利益を勘案したものとなるよう、企業型 DC、iDeCo のビジネス構造や加入者等の適切な商品選択に向けた運営管理機関の取組状況についてモニタリングした結果をまとめている。
同レポートからiDeCo加入者全体の資産状況を見ると、全体の約 75%(約5兆円)が投資信託である一方、残り約25%(約 1.7 兆円)が元本確保型商品等※となっている。
うち資産残高ベースでは全体の約 15%(約1兆円)が「元本確保型商品のみで運用する者」であり、人数ベースでは約18%(約 79 万人、いずれも2024 年 9月末)に上る。
※待機資金(約203億円*「確定拠出年金統計資料」運営管理機関連絡協議会、2024 年 3月末)含む
さらに年代別で見ると、元本確保のみの運用者は10 代、20 代では他の世代と比較しても低いが、30 代~50 代と年代が進むにつれその割合は高まっている。この傾向は企業型 DC と同様だ。特に50代では23.0%と最も高い。
銀行、証券、生損保で元本確保型商品の選択割合に差が
また、iDeCoを始める時にどの金融機関を選ぶかは誰しもが悩むところだろう。その金融機関を業態別でみると、iDeCoの元本確保型を選ぶ加入者の割合に顕著な差があることも今回のレポートでは明らかになっている。
上表からは「損保」「地銀・信金・労金」「その他」「生保」で元本確保型商品のみ運用者の割合が高くなっていることが分かる。中でもiDeCoと企業型 DCの元本確保型商品のみ運用者の割合を比較すると、 全体ではおおむね iDeCo の方が低い。これは加入者等の数が多い「証券等」(ネット系証券)において元本確保型を選ぶ割合が低いことによると考えられる。
一方で、損保、地銀・信金・労金、その他、生保では、企業型 DCよりも iDeCoの方が元本確保型のみの割合が高い。さらに詳しく金融機関大手11 社でみると、金融機関によって元本確保型のみで運用する加入者等の割合は数%~約 40%のばらつきがある。運営管理機関によって商品ラインアップに違いがあることや加入時の案内などに差があるからだと推察される。
足元の物価水準は上昇基調にある。物価の上昇率を下回る金利・利率の元本確保型商品で長期に運用していく場合、実質的な資産価値が目減りし続けることになる。運営管理機関には加入者ごとの状況や経済、金融環境を踏まえた適切な商品選択が可能となるよう、取り組みの強化が求められる。一方、加入者も今一度、自身の商品選択を見直してみることが重要だ。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。