定期預金への移行 最も高い60代では6割を超える
最近は金利上昇により、定期預金の金利を引き上げる金融機関の動きが相次いでいる。普通預金から定期預金への資金移動は実際に起きているのか。今回参考にするのは株式会社ロイヤリティ マーケティングによる20代~60代の働く男女1000人を対象にした調査だ。
結果を見ると、普通預金から定期預金へ移行したことが「ある」と回答した人は44.9%。この割合は年齢が上がるにつれて高まる傾向にあり、最も割合が高い60代では63.0%に達した。
移行した理由では、「金利が高めで利息を得られるから」(48.6%)が最も多く、次いで「使わないお金を安全に保管したいから」(33.4%)となった。
▼普通預金から定期預金へ移行したことがあるか
出所:「Pontaリサーチ」調べ
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今後増やしたい金融商品 普通預金を抑えた1位は?
同調査によれば、過去1年間で増やした金融商品では「普通預金」「株式・投資信託(NISAなど)」の順で多かった。では、今後「増やしたい」金融商品ではどうだろうか。
結果を見ると、最も回答率が高いのは「株式・投資信託(NISAなど)」で31.4%。次いで「普通預金」(28.4%)、「定期預金」(19.5%)となっている。リスク資産が普通預金を上回った(「特にない/わからない」の回答を除く)。
▼今後、どの金融商品に資産を増やしたいと考えているか ※複数回答
最適な資産配分、「わからない」が3割近く
過去1年間で増やした金融商品、今後増やしたい金融商品でも、普通預金と株式・投資信託で回答率が拮抗した。なお、同調査では資産の「守り(預金・保険)」と「増やす(投資)」配分について、理想の比率を質問している。
結果、回答率が高いのは「守り80%:増やす20%」(18.6%)、「守り50%、増やす50%」(14.7%)、「守り100%」(13.8%)など。
「増やす100%」(3.1%)以外では、どの配分比率も二けたの回答を集めており、回答は比較的分散している。理想の配分比率に一律の正解はなく、個人のライフステージや考え方などによって最適な配分比率が異なるのかもしれない。ただし、「わからない」と回答する人が最も多く、27.9%に上った。
▼将来に向けて、資産の「守り(預金・保険)」と「増やす(投資)」配分の理想
調査概要 調査名:生活者の金融資産の保有状況と運用意識に関する調査 調査主体:株式会社ロイヤリティ マーケティング 調査対象:国内在住20代~60代の働く男女1000人 調査期間:2025年5月7日~5月9日
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。