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3年実績で「オルカンをしのぐ」世界成長株投信が急伸! 一方で楽天「ブル」「ベア」商品は乱高下!?

2025/08/07 07:00

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、マネックス証券のデータをもとに解説。 マネックス証券の投信売れ筋ランキングの2025年7月のトップは前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第2位には前月第4位だった「eMAXIS Slim

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、マネックス証券のデータをもとに解説。

マネックス証券の投信売れ筋ランキングの2025年7月のトップは前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第2位には前月第4位だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が浮上した。前月第2位だった「楽天日本株4.3倍ブル」は第3位に、第3位だった「楽天・日本株 3.8倍ベアIII」は第4位にそれぞれ後退した。前月は第5位だった「日経225ノーロードオープン」が第6位に、第8位だった「iFree 日経225インデックス」が第10位に後退するなど、国内株インデックスファンドがランクダウンした。一方、「iFreeNEXT FANG+インデックス」が前月第9位から第8位にランクアップ、トップ10圏外から「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」が第9位にランクインした。

楽天日本株「ブル」「べア」に見る“レバレッジ”の難しさ

マネックス証券の売れ筋ランキングで上位にある日本株のブル・ベア型ファンドは、4月の株価急落時には大きく動いたものの、7月に入ってからは株価の落ち着きとともに「ブル型」のジリ高と、「ベア型」のジリ安という動きに収れんしてきた。国内株式インデックスは「日経225」が4月の急落後はジリ高歩調で動いているだけに、「楽天日本株4.3倍ブル」や「SBI 日本株4.3ブル」にとっては比較的安心感をもって保有できる環境にあるのかもしれない。

「楽天日本株4.3倍ブル」は、4月の株価急落時には、基準価額が7944円(4月7日)まで落ち込んだ。2024年12月末時点の基準価額は2万6319円であったため、年初来の下落率は約70%に達したことになる。この同じタイミングで「楽天・日本株3.8倍ベアIII」の基準価額は1万3735円に跳ね上がった。昨年末が6127円だったため、年初から3カ月余りで2.24倍に上昇した。その後は、国内株価がジリジリと上昇を続けたため、「ブル型」は7月末の基準価額が2万3534円まで上昇した。安値から2.96倍になった。半面、「ベア型」は7月末に基準価額が3689円まで下げている。高値からの下落率はマイナス73%を超えた。

結果的に、2024年12月末を基準とすると、7月末時点で基準価額の水準が最も高いのは「日経225ノーロードオープン」ということになる。インデックスファンドの「日経225ノーロードオープン」のみが昨年末水準を3.54%上回っている。「楽天日本株4.3倍ブル」は昨年末比でマイナス10.58%、「楽天・日本株3.8倍ベアIII」はマイナス39.79%という水準にある。ブル型・ベア型ともに約4倍のレバレッジをかけたファンドだけに、その値動きは非常に大きくなる。株価の「下落」や「戻り」などに確信をもって投資できるものであれば、短期間で2倍化を実現できたが、よほど市場の動きに機敏に反応できなければ十分なリターンを稼ぐことは難しかったように感じられる。むしろ、単純なインデックスファンドを保有し続けた方が着実な収益につながったようにもみえる。レバレッジ型のファンドに興味・関心がある投資家にとっては、その値動きの特性を経験できる良い機会になったといえるだろう。

パフォーマンスが際立つ「WCM世界成長株厳選ファンド」

マネックス証券の売れ筋トップ10に7月にランクインした「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」は、日本を含む世界の市場に上場する株式を投資対象として、わずか34銘柄で運用ポートフォリオを組んでいる厳選投資型のアクティブファンドだ。実質的な運用を担当しているのは、米国に本社のある運用会社WCMインベストメント・マネジメント・エルエルシー。ファンドの目論見書にはグローバル成長株の運用で定評のある運用会社として紹介されている。2024年12月末時点での運用資産残高は917億米ドル(約13兆7500億円)ということなので、ブティック型の運用会社といえる。同ファンドの銘柄選定の基準は、「参入障壁の持続可能性、企業文化、構造的成長力、バリュエーションなど」とし、ボトムアップ・アプローチを通じて銘柄を厳選のうえ、30~50銘柄程度に集中投資するファンドになっている。

「WCM世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」の運用実績は、2025年7月末時点で過去1年間が65.58%、過去3年で130.03%になっている。これは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)の1年で15.79%、3年で72.92を大きく上回るとともに、グローバル株式のアクティブファンドとして人気では上位にある「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)の1年16.90%、3年の82.77%をも上回る成績になっている。2025年になってからの動きでも「オルカン」や「世界のベスト」を上回っている。同ファンドの愛称は「ネクスト・ジェネレーション」という。過去1年あまりにわたって株式アクティブファンドの人気を二分してきた「世界のベスト」と「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」と競い合って、愛称のように「次世代」の主役にもなり得るパフォーマンスを残している。今後の展開が注目される。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。