2025年8月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入を見ると、8月は外国株式ファンドに7,000億円の資金流入があった【図表1】。外国株式ファンドへの流入額は1月の1兆9,700億円をピークに減少が続き、7月には4,200億円と新NISAが開始された2024年以降で最小を記録していたが、8月は7カ月ぶりに反転した形である。
一般販売されている外国株式ファンドをタイプ別に見ると、インデックス型には5,300億円と7月の4,100億円から増加した。2024年と比べて見ても、2024年の8月、9月、10月とほぼ同規模まで回復した。さらにアクティブ型は7月に100億円未満の流出超過であったが、8月に再び1,700億円の資金流入に転じた。
これまで外国株式ファンドは2月以降、
インデックス型、アクティブ型ともに買付が減少し、それに伴って資金流入も鈍化していた【図表2】。ただ、この7月はタイプによらず買付が増加していた。その一方で売却が一般販売されている
インデックス型で5,400億円、アクティブ型で9,700億円と、いずれも過去最大と膨らんだ結果、資金流入の減少が止まらなかった。あくまでも詳細情報の公表を待つ必要があるが、8月は買付が堅調だった上に売却が減少したため資金流入が増加したものと推察される。
ただし、8月は単に利益確定の売却が出にくかっただけの可能性もある。7月と同様に米国株式の主要指数が史上
最高値を更新するなど世界的に株価は上昇したが、過熱感も意識されたこともあり上昇は小幅にとどまった。加えて、月初に1ドル149円を上回っていたのが月末に147円を下回るなど、月を通じてやや円高が進行したことで、多くの外国株式ファンドの
基準価額は横ばいでの推移となったためである。実際に8月に資金流入が大きかった外国株式ファンド(赤字)を見ても、8本中6本で8月の収益率が1%以内であった【図表3】。つまり、今後の市場環境次第では外国株式ファンドで再び売却が膨らみ、再び資金流入が減少するかもしれない。
なお、このように外国株式ファンドの売却が7月に過去最大を記録した背景には、外国株式ファンドの残高が大規模な資金流入に伴い急激に増加していることが考えられる。ただ、残高ほどは売却が増えておらず、外国株式ファンド全体でみると
インデックス型、アクティブ型問わず、長期保有する人が増えている可能性が高い。
実際に一般販売されている外国株式ファンドの純資産総額(面グラフ)は、2025年8月末に83兆円に達している【図表4】。20兆円を超えたのが2020年8月であったため、この5年で4倍になった計算になる。5年累積で38兆円の資金流入があり、さらに基準価額の上昇も上乗せされた結果といえる。特にインデックス型(黄色面)は、純資産総額が5年前に3兆円に満たなかったが、足元では40兆円を超えており顕著であった。2025年中にはアクティブ型を上回りそうな勢いである。
ここでインデックス型とアクティブ型それぞれで毎月の売却率(線グラフ)を単純に「当月の解約額」を「前月末の純資産総額」で算出してみた。金融庁が投信の回転売買を問題視した2013年には、アクティブ型で売却率が5%を超える月もあった。それが足元では、過去最大となった2025年7月でも、売却率がインデックス型で1%台、アクティブ型で2%台となっている。2020年以前と比べると低水準で収まっており、純資産総額が急増した割には売却が出ていないことが分かる。
外国株式ファンド以外では、バランス型ファンドでも8月に1,100億円の資金流入があり、7月の700億円から増加した。また、国内株式ファンドは8月も流出超過であったが、8月の流出額は1,200億円と7月の2,400億円から減少した。そのため、ファンド全体で見ても8月は7,100億円の資金流入と7月の2,700億円から急増した。8月も、高パフォーマンスをあげる中国株式ファンド(赤太字)があった【図表5】。ただ、中国株式ファンド自体は2021年7月以降、資金流出が続いており、この8月も20億円と少額ではあるが流出超過であった。