■要旨
ドイツ最大の保険グループであるアリアンツは、2025年5月27日付で、「Allianz Global Insurance Report 2025: Rising demand for protection」を公表した。同レポートでは、世界の保険マーケットの2024年における現状や、各国の10年後の収入保険料を予測しており、アリアンツでは毎年同時期に公表している。
同レポートによれば、2024年における世界の保険マーケットは、対前年で損害保険は7.7%増、生命保険は同10.4%増であり、特に生命保険は著しい成長を示した。
また、2035年までの間において、損害保険は平均4.5%、生命保険は同5.0%の成長を予測している。
ここでは、同レポートに基づき、世界の生命保険市場について現状ならびに10年後の将来予測について、紹介したい。
■目次
はじめに
1――2024年の世界保険市場の状況
2――2035年の世界生命保険市場の将来予測ドイツ最大の保険グループであるアリアンツは、2025年5月27日付で、「Allianz Global Insurance Report 2025: Rising demand for protection」を公表した。同レポートでは、世界の保険マーケットの2024年における現状や、各国の10年後の収入保険料を予測しており、アリアンツでは毎年同時期に公表している。
同レポートによれば、2024年における世界の保険マーケットは、対前年で損害保険は7.7%増、生命保険は同10.4%増であり、特に生命保険は著しい成長を示した。
また、2035年までの間において、損害保険は平均4.5%、生命保険は同5.0%の成長を予測している。

2024年における世界の生命保険マーケット(合計値)は、上記のとおり対前年で10.4%増と好調だった。
(図表2)は、2024年の保険料収入ランキングである。
トップの米国は、高金利が続く中で、金利が低下する前に年金への駆け込み加入が多く発生したことを背景に1、対前年23.0%増2と大幅に進展しており、近年著しい成長を続けている中国(19.7%)、インド(11.1%)を上回る水準となった3。

1 「Allianz Global Insurance Report 2025」 P8。
2 各国の増加率は、「Allianz Global Insurance Report 2025」ならびに「同2024」掲載数値より、筆者にて計算した。以下、同様。
3 「Allianz Global Insurance Report 2025」によれば、過去10年間(2014年-2024年)の生保収入保険料の平均増加率は、中国11.7%、インド10.2%に対して、米国は4.8%となっている。
4 アリアンツの同レポートは、各国の収入保険料はユーロにて掲載されていることから、上記生命保険協会公表による収入保険料(2024年度36.8兆円、2023年度37.5兆円)を2024年平均レートにてユーロ換算すると、2024年対前年数値は▲9.0%、月別でみると最も円安となった7月平均レートだと、▲12.8%となる。
(円・ユーロの換算レートは、日銀「外国為替市況(日次)」より、年平均値、7月平均値を算出した。)
(図表3)は、上記レポートによる2035年における世界各国の生保収入保険料の予測値である。アリアンツでは、今後10年間の世界の生保マーケットについて、不確実性は高まっているものの、金利上昇の恩恵を受け、平均で5.0%増になると予想している。

アリアンツは、2025年の世界のGDP成長率は、2.3%と、パンデミック以来の低水準に落ち込むと予想している7。米国のトランプ関税や、地政学的要因等を背景に、世界的な不確実性は、パンデミック時並みに高まるとされている。
政治・経済面における世界的な不確実性が高まる中で、世界の生保マーケットは、先が見通しにくい状況となっており、今後も引き続き注視して参りたい。
5 インドは、図表2の参考で示したとおり、昨年の「Allianz Global Insurance Report 2024」では、2034年には第3位になることが予想されていた。また、表にはないが、「同 2023」における2033年予測でも、第3位とされていた。
6 一方、フィッチ(Fitch Solutions Group Limited, BMI)による2034年の生保収入保険料予測によれば、トップの米国(11,301億ドル、2024年からの平均増加率4.2%)に続いて、中国(6,082億ドル、同4.4%)、日本(4,744億ドル、同5.4%)、英国(3,266億ドル、同2.6%)、フランス(2,324億ドル、同1.8%)、カナダ(2,282億ドル、同6.5%)、インド(2,020億ドル、同7.4%)、ドイツ(1,850億ドル、同6.5%)、イタリア(1,782億ドル、同5.0%)、韓国(1,219億ドル、同3.9%)となっている。当予測では、2034年においても依然として米国は中国の2倍近い(1.86倍)水準となっており、両者の差は大きい。また、日本は第3位、インドは第7位となっており、予測主体によって、結果も区々である。
7 なお、IMFによる2025年の世界GDP成長率は、2.9%となっている。(IMF「World Economic Outlook database: April 2025」の数値より、筆者にて計算。)