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「将来にわたって所得が増加するなら…」増やしたいのは食費VS.旅行VS.投資?【年代別調査】

2025/09/15 13:30

「増やしたい消費」、6年前比で回答に変化 仮に所得が増加した場合、人々はどんな分野の消費を増やすのか。内閣府の調査結果を経年で比較してみると、はっきりとした変化が見て取れる。 2019年では「旅行やレジャー」「貯蓄」が群を抜いていたが、直近の25年の結果は「食費」に軍配が挙がっているのだ。さらに「特に増やすものはな

「増やしたい消費」、6年前比で回答に変化

仮に所得が増加した場合、人々はどんな分野の消費を増やすのか。内閣府の調査結果を経年で比較してみると、はっきりとした変化が見て取れる。

2019年では「旅行やレジャー」「貯蓄」が群を抜いていたが、直近の25年の結果は「食費」に軍配が挙がっているのだ。さらに「特に増やすものはない」との回答も多く、その存在感が際立っている。

所得が将来にわたり増加した場合の消費の変化

所得が将来にわたり増加した場合の消費の変化を表した図表
出所 内閣府「令和7年度年次経済財政報告」

ただし、19 年の調査では「特に増やすものはない」という選択肢がないことから単純な比較は難しいという注意点がある。

その点を踏まえて25年の調査結果で最も多かった回答を見ると「食費(外食以外)」で4割弱となっている。特に年齢層が高いほど増加していることが明確に分かる。

調査の別の質問では「現在、支出を減らしている分野」も聞いており、その答えも食費がトップだった。その点と照らし合わせると、余裕があれば食費を増やしたい、あるいは元の水準に戻したいと考えている人が多いことがうかがえる。

●前編「「我慢しているけれど…」本当はたくさんお金を使いたいことランキング【最新調査】」

「旅行やレジャー」も人気だが…

食費に次いで高かったのは「旅行やレジャー」。全体で約26%となっている。これは選択的支出(生活必需ではない支出)についても、所得に余裕があれば増やしたいという潜在的な意欲があることを示している。

一方で、「特に増やすものはない」との回答も26%、また「貯蓄」も19%と相対的に高くなっていることから、所得増が必ずしも消費に回るとは限らない状況もうかがえる。

年代別にみると、「食費(外食以外)」(前ページグラフ(2))と「旅行やレジャー」(下記グラフ(3))のどちらも年代が高いほど所得が増加した場合において消費意欲が高くなるとする傾向が見られる。

所得が将来にわたり増加した場合の消費の変化

所得が将来にわたり増加した場合の消費の変化を表した図表
出所 内閣府「令和7年度年次経済財政報告」

「旅行やレジャー」、大きな低下幅

この傾向はコロナ禍を経て物価高が続く最近の動きなのだろうか。6年前の19年調査時と比較してみよう。前述どおり両調査は調査項目の違いなどから直接的な比較が難しい点はあるものの、所得が増加した場合に食費や外食を増やしたいとの割合は19年時点よりも高まっている。特に「食費(外食以外)」の回答割合の上昇は40代以上で顕著だ。

また、「旅行やレジャー」の割合はどの年代でも低下しており、特に20代と30代で低下幅が大きい。

一方で「株式などへの投資」は増やしたい

一方、どの年代でも増えているのが「株式などへの投資」だ。特に30代、40代を中心に増加している。24年の新NISAの導入も影響してか「貯蓄から投資へ」という動きが中堅層の年代を中心に浸透しつつあるのかもしれない。

なお、「貯蓄」と回答した人の割合は全年代で大きく低下しているが、「貯蓄から投資へ」という動きを示す可能性がある一方で、19年調査で「貯蓄」と回答していた人の多くが25年調査で追加された「特に増やすものはない」に移行した可能性もあるため、解釈には注意が必要だ。

所得が増えた場合の消費は、各自の経済状況や価値観などによっても違うだろう。物価高の影響もあり、多くの人が食費を優先する傾向にあるが、あなたならどのようなことにお金を使いたいだろうか。

調査概要 白書名:「令和7年度年次経済財政報告」 調査主体:内閣府 公表日:2025年7月29日

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。