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株価急落時に強い「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション」、米国マーケット加熱に「金」の下支えは魅力!?

2025/09/17 07:00

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、みずほ銀行のデータをもとに解説。 みずほ銀行の投信売れ筋ランキングの2025年8月のトップは2024年11月から10カ月連続で「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」だった。そして、前月第2位だった「キャピ

各販売会社が公開するデータをもとに、編集部独自の分析で投資信託の売れ筋を考察する連載。今回は、みずほ銀行のデータをもとに解説。

みずほ銀行の投信売れ筋ランキングの2025年8月のトップは2024年11月から10カ月連続で「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」だった。そして、前月第2位だった「キャピタル世界株式ファンド」は第3位に後退し、第3位だった「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」が第2位に上がった。さらに、前月第9位だった「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」が第7位に上がるなど、米国株式ファンドの人気が盛り上がっている。また、新規設定の「Oneグローバル債券ファンド2025-10(限定追加型)(為替ヘッジあり)」が第8位にランクインし、トップ10圏外から「NWQグローバル厳選証券ファンド(為替ヘッジなし/隔月分配型)(愛称:選択の達人)」が第10位に食い込んだ。

抜群の安定感「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション」

みずほ銀行の売れ筋トップ、バランス型の「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は、世界の株式、債券、リート(不動産投信)、金をはじめとするコモディティなどさまざまな資産に分散投資し、市場環境に応じて機動的に組み入れ比率を変えて運用している。長期にわたって安定的な運用成績を残していることが支持を受けるポイントだ。2025年8月末時点で過去1年間のトータルリターンは8.99%で、2023年9月8日から約2年間の設定来では22.03%になっている。年間で2ケタに届くほどのリターンを残してきたことになる。

「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」の基準価額と同じようなバランス型ファンド「NWQグローバル厳選証券ファンド」を比較すると、「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」の安定ぶりが際立つ。「NWQグローバル厳選証券ファンド」は2024年前半のような株式市場が好調な局面では「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」を上回るパフォーマンスになるものの、2025年4月の株価急落時には大きく基準価額が下落し、結果的にトータルリターンの水準が「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」に及ばないということになっている。2023年12月末を基準とすると、2025年9月12日時点で「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は20.94%のリターンだったが、「NWQグローバル厳選証券ファンド」は15.11%のリターンにとどまり、その差は明確だった。これは、組み入れ対象に金(ゴールド)が入っているという「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」の資産構成の違いもあるだろう。

機動的な資産配分の変更を行うファンドとして2025年5月に新規設定された「JPモルガン・グランド・アセット・アロケーション」は順調なスタートになっている。単純に同ファンドが設定された5月29日から9月12日まで3カ月余りの基準価額の上昇率を比較すると同ファンドは5.38%であり、「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」の6.71%、「NWQグローバル厳選証券ファンド」の7.17%にやや後れをとっている。今後、パフォーマンスの面でどのような活躍をみせるのだろうか? 現状では期待先行の売れ筋順位になっているようだ。

米国の利下げが米国株を押し上げ

みずほ銀行の売れ筋トップ10にランクインしている株式ファンドのパフォーマンスを調べると、8月以降に米国株式に主に投資するファンドのパフォーマンスが良化していることがわかる。具体的には「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」、そして、「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」のパフォーマンスが急速によくなり、先行していた「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」にパフォーマンスで追いついている。また、グローバルに分散投資する「キャピタル世界株式ファンド」の出遅れが明確になってきた。

「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」は、2025年7月末時点で国・地域別組み入れ比率は米国52.0%、フランス7.8%、インド6.2%、スウェーデン5.4%、デンマーク4.9%。中国4.3%など世界の株式に分散し、業種別も一般消費財・サービスが32.3%、金融18.3%、コミュニケーション・サービス17.3%などハイテク以外の投資先にも分散している。米国以外にも欧州や新興国などの株価も上昇した流れを受けて7月末時点では過去1年間のトータルリターンが31.06%と大きなリターンを出していたが、8月末時点では1年リターンが28.15%に減速し、米国株のみで運用している「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」が28.31%と逆転した。

8月後半から9月に入っての米国株の上昇は米国に利下げ期待が高まってきたことによる。9月16・17日のFOMC(連邦公開市場委員会)において利下げが決定されることが確実視されており、金利据え置き状態になっている欧州などとは株式市場への追い風の強さが異なる。米国の雇用などは7月、8月と雇用者数が前月実績を下回り労働市場の減速が感じられる内容になってきている。雇用の減速による景気の悪化懸念が利下げの背景の1つであり、9月の後、12月にも一段と利下げとの見方もあるものの、「不景気の株高」は不安定な動きにもなりやすい。米国主導の株式市場がどの程度の持続力があるものか、慎重に見極める姿勢が必要だろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。