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【厚生労働省】9月から運用始まる「スマホ保険証」にメリットはあるか?

2025/09/24 15:00

医療機関や薬局の窓口で、スマホ保険証と呼ばれる健康保険証の機能を搭載したスマートフォンで本人確認する運用が9月19日から始まる。保険証と一体化したマイナンバーカード(マイナ保険証)を持ち歩かなくても、スマホだけで受診できるのが最大のメリットだ。 しかし、医療機関などではスマホ保険証用に新たな機器を準備する必要があり、厚

医療機関や薬局の窓口で、スマホ保険証と呼ばれる健康保険証の機能を搭載したスマートフォンで本人確認する運用が9月19日から始まる。保険証と一体化したマイナンバーカード(マイナ保険証)を持ち歩かなくても、スマホだけで受診できるのが最大のメリットだ。

 しかし、医療機関などではスマホ保険証用に新たな機器を準備する必要があり、厚生労働省は「医療機関側の機器設置は強制ではない」としている。当面は一部の施設でしかスマホ保険証を利用することはできず、これまで通り、マイナ保険証や資格確認書を使うことになる。

 スマホ保険証を使う場合、患者は事前に2種類の暗証番号を入力してマイナカードをスマホ上に追加する必要がある。普段あまり使わないマイナカードの署名用暗証番号も必要となるため、注意が必要だ。

 医療機関の窓口では顔認証機能付きカードリーダーを操作した上で、新たに設置する汎用カードリーダーにスマホをかざす必要がある。マイナ保険証と同様、医療関係者が患者の薬の処方歴などを共有し、適切な治療につなげられる。

 しかし、患者と医療機関双方に手間がかかるため、医療関係団体の幹部は「高齢者はカードリーダーを用いたマイナ保険証での顔認証も苦労しているのに、スマホまで使いこなせるわけがない。汎用カードリーダーも不要だ」と批判する。

 どの医療機関でもスマホだけで受診できると勘違いする患者が出ることも想定される。そこで日本医師会は、スマホ保険証に対応していない施設向けにマイナ保険証などの持参を呼び掛けるポスターを作製し、患者に周知してもらう。仮に医療機関でスマホ保険証を使えても、かかりつけの薬局が対応していなければ結局、マイナ保険証などが必要になるようだ。

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