トップは野村證券、対面証券勢が上位を占める
顧客の投資信託の運用損益に関する共通の指標の一つに「運用損益別顧客比率」がある。投資信託の共通KPIと呼ばれるその最新データは各金融機関が公表しており、金融庁がまとめて最新版を2025年9月10日に発表している。その中から証券会社に焦点を当てて運用損益率プラスの顧客の状況を確認していこう(2025年3月末基準)。
証券会社(運用損益率プラス(0%以上)の顧客割合が高い順)

【証券会社】投資信託の運用損益別顧客比率ランキング
野村證券:86.5%
PWM日本証券:84.7%
寿証券:84.3%
四国アライアンス証券:84.0%
山和証券:83.3%
いちよし証券:81.1%
みずほ証券:81.0%
中原証券:80.6%
ワイエム証券:80.4%
丸三証券:80.0%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券:79.5%
日産証券:79.0%
東海東京証券:78.8%
きらぼしライフデザイン証券:77.2%
永和証券:76.7%
ちばぎん証券:76.1%
SMBC日興証券:75.7%
西日本シティTT証券:75.0%
大和証券:74.8%
岩井コスモ証券:74.2%
楽天証券:74.0% 北洋証券:74.0%
松井証券:73.8%
GMOクリック証券:73.7%
中銀証券:73.6%
マネックス証券:73.1% SBI証券:73.1%
水戸証券:72.9%
ひろぎん証券:72.6%
東洋証券:72.2%
岡三にいがた証券:71.8%
内藤証券:71.7% 安藤証券:71.7%
八十二証券:71.6%
浜銀TT証券:71.3%
極東証券:71.2%(以下、次ページへ続く)
出所:金融庁「投資信託の共通KPIに関する分析」よりFinasee編集部作成
トップは対面証券大手の野村證券(86.5%)。次いで東京都港区に本社を置くPWM日本証券(84.7%)、愛知県が地盤の寿証券(84.3%)がトップ3となった。
続いて、いよぎんグループの四国アライアンス証券(84.0%)、山和証券(83.3%)、いちよし証券(81.1%)、みずほ証券(81.0%)、中原証券(80.6%)、ワイエム証券(80.4%)、丸三証券(80.0%)、この10社までが投資信託の運用損益率がプラスである顧客が80%を超えている。ここまでの顔ぶれからは対面証券会社の存在感が強いことが分かる。
プラス幅の大きさはグラフの緑色の濃さで表される。トップの野村證券はプラス50%以上の利益を上げた顧客の割合が多く、プラス30%以上~50%未満以下の顧客の割合も満遍なく抱えていることが読み取れる。PWM日本証券は独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)と提携する証券会社。プラス10%以上~プラス30%未満の顧客層が厚いことが見て取れる。なお、大手ネット証券の中では楽天証券が74.0%でトップだった。
●前編「投資信託の「運用損益」プラス顧客率ランキング【信用金庫・信用組合・労働金庫編】」
ネット証券、全国各地の地場証券など…各社の結果は?
前ページで紹介した極東証券(東京都)に続く全国各地の証券会社およびネット証券の結果を確認していこう。
証券会社(運用損益率プラス(0%以上)の顧客割合が高い順)(前ページから続く)
【証券会社】投資信託の運用損益別顧客比率ランキング(続き)
証券ジャパン:71.1%
岡三証券:70.8%
長野證券:70.5% CHEER証券:70.5%
大山日ノ丸証券:70.4%
静銀ティーエム証券:69.9%
七十七証券:69.8%
今村証券:69.2%
大万証券:69.0%
百五証券:68.7%
第四北越証券:68.4% 十六TT証券:68.4%
三菱UFJ eスマート証券:68.3%
J トラストグローバル証券:68.1%
ほくほくTT証券:67.6%
西村証券:67.4% tsumiki証券:67.4%
めぶき証券:67.3%
SBIネオトレード証券:67.2%
広田証券:65.9%
大和コネクト証券:64.7%
むさし証券:63.4%
アイザワ証券:63.1%
香川証券:62.7%
おきぎん証券:61.7%
あかつき証券:60.6%
FFG証券:60.5%
九州FG証券:60.4%
池田泉州TT証券:59.9%
明和證券:59.4%
光証券:53.6%
ぐんぎん証券:52.1%
PayPay証券:49.9%TT
OKB証券:49.6%
とちぎんTT証券:49.1%
京銀証券:25.7%
出所:金融庁「投資信託の共通KPIに関する分析」よりFinasee編集部作成
なお主要行、地域銀行、協同組織金融機関等(信用金庫、信用組合、労働金庫等)、証券会社等の全業態平均で見ると71.8%の顧客がプラスのリターンを確保している。証券会社72社のうち平均を超えたのは31社だった。
どの証券会社で口座を開くか迷っている、あるいは証券口座を乗り換えたいといった悩みがある人は、共通KPIの結果を参考してみることも一案だ。
概要:投資信託の共通KPIに関する分析 <2025年3月末基準>(金融庁) 公表日:2025年9月10日
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。