連載 お金のクイズ──投資に役立つキホンの知識
「お金について詳しくなりたいけど、勉強する気になれない」──そんな人でも「クイズ」なら気軽に挑めるのでは? 毎回出題されるクイズに答えてお金について詳しくなろう。
第1回 100万円を200万円にするには何年かかる?「金利と複利」
今回は投資で大切な「金利」について。「複利」という言葉を聞いたことはないだろうか? 投資するには元手のお金が必要だ。最初に投資したこの元手のお金(元本ともいう)に利息がつくと少しお金は増える。その増えた額を投資に回すと利息に利息がつく。これが複利であり、複利によってお金が増えるスピードが加速することを「複利効果」と呼ぶ。 クイズの1つ目はこの「複利効果」に関してだ。
クイズ1:100万円を200万円にするには、どのくらいの期間が必要?
1問目のクイズは、「100万円を5%の複利で運用して2倍の200万円にするには、どのくらいの期間が必要か」というもの。次の3つから選んでみて欲しい。
① 15年後
② 17年後
③ 20年後
ポイントは「複利」という点だが、これはある法則を知っていれば簡単に期間を導き出すことができる。
正解は①の「15年後」だ。100万円を15年間運用すると、投資元金が207万8,928円まで以下のように膨らんでいく。
1年後:1,050,000円
2年後:1,102,500円
3年後:1,157,625円
4年後:1,215,506円
5年後:1,276,282円
6年後:1,340,096円
7年後:1,407,100円
8年後:1,477,455円
9年後:1,551,328円
10年後:1,628,895円
11年後:1,710,339円
12年後:1,795,856円
13年後:1,885,649円
14年後:1,979,931円
15年後:2,078,928円
100万円が150万円になるのに9年かかるが、150万円が200万円になるのにはそれから6年しかかからない。これが複利効果のすごさだ。利息で増えた分を引き出さずに投資にまわし続けると、資産が増えるスピードが加速する。
知っておきたい「72の法則」
複利効果によって元金を2倍にするのに必要な期間(年数)は「72の法則」で計算できる。計算式は「72÷金利(%)=投資期間(年数)」で、上記の例をあてはめると以下の通りとなる。
72÷5%=14.4年
「14.4年」ということはつまり、15年後には元金が2倍の200万円になっているということになる。
ちなみに③の「20年後」は、100万円を金利5%の「単利」で運用した場合に200万円に達するまでの期間だ。単利では最初の元金に対してのみ利息がつくため、毎年増えていく金額は5万円に固定され、100万円増えるのに20年かかる。
1つ目のクイズでは資産運用でお金がどのように増えていくか説明したが、逆にお金を借りたときには利子が増えることで支払い額が増えていくので、銀行などから融資を受ける場合などはその点は肝に銘じておきたい。
クイズ2:金利が下がると株価はどうなる?
この「金利」は、株式投資に大きく影響するといわれている。一般的に、金利が下がると株価はどのように推移するだろうか。選択肢を選んだ上で、「なぜそうなるか」もちょっとだけ考えてみてほしい。
① 株価は下がる
② 株価は上がる
③ 株価はもみ合いの状況になる
もみ合いとは、上がっては下げ、下がっては上げを繰り返す状態のこと。正解は②の「株価は上がる」だ。金利と株価の関係はよく「シーソー」に例えられ、一般的に金利が下がると株価が上がり、逆に金利が上がると株価が下がる。
その理由は、金利が下がると企業がお金を借りやすくなり、事業を拡大できるようになる。すると、売上や利益が増え、結果として景気が良くなるからだ。逆に金利が上がると企業がお金を借りにくくなり、景気が悪くなることで株価は下がりやすい。
実例を挙げて説明すると、新型コロナウイルスによる「コロナショック」で株価が急落したあと、株価はしばらくして上昇トレンドに戻ったが、最近になって金利と株価の関係は上で説明したような状況になった。
アメリカなどで景気が徐々に回復していることもあり、上昇トレンドはまだ続くものとみられていたが、米国債金利などが上がり始めたため、米国株などは下落トレンドに入った。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年4月1日公開記事)
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