NISA・クレカ積立を始めたい

新NISA投資家の個人年収は? 保有証券の時価総額も 5000人の平均値

2025/12/02 13:00

新NISA口座の開設、若い層ほど早期 新NISAに興味がある人は、実際に投資している人の実態を知りたいことだろう。参考になるのが個人投資家5000人を対象に行われた調査「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)だ。まずは新NISAの取り組み状況や投資経験について詳しく見ていこ

新NISA口座の開設、若い層ほど早期

NISAに興味がある人は、実際に投資している人の実態を知りたいことだろう。参考になるのが個人投資家5000人を対象に行われた調査「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)だ。まずは新NISAの取り組み状況や投資経験について詳しく見ていこう。

2024年1月からスタートした新NISA口座の開設状況はどうなっているのか。調査対象者の個人投資家5000人のうち2024年に口座を開設した人は73.0%、25年に開設した人は9.1%で、合わせて82.1%が新NISA口座を開設している。

NISA 口座の開設状況

新 NISA 口座の開設状況を表した図表
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)

「今後申し込む予定である」と回答した人は3.3%、「申し込むつもりはない」と答えた人は14.7%。なお調査時期は2025年4月15日~19日であり、現時点ではさらに増えている可能性がある。続いて、新NISA口座を開設した人はどの年代が多いのかをランキング形式で確認してみよう。

NISA開設状況年代別ランキング

1位 30代以下 83.2%
2位 40代 79.9%
3位 50代 73.2%
4位 60~64歳 71.2%
5位 65~69歳 66.6%
6位 70代以上 63.6%
※2024年の開設状況

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

24年のNISA口座開設率は30代以下で83.2%と最も高く、年代が上がるにつれて低下傾向にある。40代は79.9%、70代以上では63.6%となっている。若年層ほど新制度への対応が早いことが分かる。

一方で「申し込むつもりはない」という回答は年代が上がるほど増加。30代以下では4.1%に過ぎないのに対し、70代以上では23.1%と5倍以上の開きがある。若い層ほど新NISAの長期的なメリットを享受できる期間が長いと考えているのかもしれない。

●前編「新 NISA でいくら購入した?「つみたて投資枠」「成長投資枠」【3600人の答え】」

NISAを始めている人の年収の傾向は?

NISA口座開設者の個人年収を見ていこう。口座開設している人の年収にはどんな傾向があるのだろうか。

NISA 口座の開設状況個人年収別ランキング

1位 300万円未満 40.9%
2位 ~500万円未満 26.0 %
3位 ~700万円未満 15.8 %
4位 ~1000万円未満 10.3%
5位 1000万円以上 7.1%
※24年~25年4月19日までの開設者

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

回答者のうち、新NISA開始当初から調査期間中までに開設した人の年収は「300万円未満」が40.9%を占め、最も多い。「300万円以上500万円未満」と合わせると、新NISA口座開設者の66.9%が年収500万円未満となる。

ランキングはおおむね日本の年収構成に沿った順にみえる。注意点は世帯年収ではなく個人年収である点と、新NISA口座を開設済みの回答者は60代以上が4割という点だ。すでに現役を退いた年代が多いことが影響しているとみられる。

以前から投資をしていた?

調査結果からは、NISAをきっかけに投資を開始したかどうかも分かる。NISA口座開設者に同口座の開設前に有価証券を購入したことがあるかを聞いており、結果は「上場株式を購入したことがある」(59.6%)、「投資信託を購入したことがある」(48.7%)となった。いずれの有価証券も「購入したことがない」と回答した人は22.7%であり、残りの77.3%、つまり約7割はNISA口座を開設する前から株式や投資信託などで投資を始めていたことになる。

NISA 口座開設前の有価証券購入経験(複数回答)

NISA 口座開設前の有価証券購入経験(複数回答)を表した図表

NISA口座開設者
(注)前回調査まで「購入したことがある」であった項目を、今回調査から「上場株式を購入したことがある」「投資信託を 購入したことがある」「ETF を購入したことがある」「REIT を購入したことがある」「上場株式・投資信託ETFREIT 以外の有価証券を購入したことがある」に分割する修正を行った。

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)

年代別に見ると、年代が上がるほど購入経験率は高くなる傾向がある。上場株式の購入は30代以下では45.7%にとどまるが、70代以上では73.5%と1.5倍以上の差がある。投資信託については30代以下では44.4%、65~69歳では55.8%と10ポイント以上の差が見られるものの、上場株式ほどの大きな開きはない。

有価証券は500万円未満が6割

続いて、新NISA口座開設者が資産をいくら持っているのかについて見ていこう。調査では、個人投資家に新NISA口座を含めた全体の保有証券の時価総額を聞いている。

結果を見ると、60.4%が保有額「500万円未満」だった。なお「500万以上~1000万円未満」は13.6%、「1000万以上~3000万円未満」は14.7%、「3000万円以上」は11.3%となっている。

つまり大まかにみると、500万円未満が6人に対し、500万以上~1000万円未満、1000万以上~3000万円未満、3000万円以上はそれぞれ1人ずつという計算になる。なお、保有額について注意すべきは株式や投資信託の有価証券(時価)であり、預貯金などは含まない点だ。

新NISAで若い層、平均年収層にも投資が身近に

NISAは若い層ほど口座開設率が高く、長期的な視点での資産形成という制度の趣旨が浸透しつつあるようだ。収入別では年収500万円未満、有価証券の保有額も500万円未満が多いことから、新NISAの開始をきっかけに投資の機会が身近に広がっているといえそうだ。

調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。