意外? 若い世代ほど確定拠出年金を知っている
確定拠出年金(DC)は企業や個人が毎月掛金を出し、自分で運用した結果を老後に受け取る仕組みの年金制度。会社の退職金制度である企業型と、個人で加入できる個人型(iDeCo、イデコ)の2つがある。積み立てた資金は原則として 60 歳まで引き出せないが、加入者の掛金は全額所得控除の対象となるなど税制面で優遇されており、転職や退職をしても運用資産を持ち運ぶ(移換)ことができる。
日本証券業協会が2025年9月に公表した「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」では確定拠出年金の加入状況や毎月の拠出額についても質問をしている。まずは制度の認知度について結果を見ていこう。
調査によると「内容は既に知っていた」と回答した人は22.8%、「やや曖昧なところもあるが、内容は概ね知っていた」と回答した人は32.6%となっている。両者を合わせると55.4%となり、半数以上の人が制度の内容について認知しているようだ。
確定拠出年金の認知状況
年代別に見ると若い世代ほど認知度が高い。30代以下では「内容は既に知っていた」(32.9%)、「やや曖昧なところもあるが、内容は概ね知っていた」(36.8%)と、約7割が制度を認知している。40代も66.1%、50代も62.2%と、50代以下では6割を超える認知度がある。以降は年代が上がるにつれて低下していく。特に70代以上では「制度があることを知らなかった」と回答した人が約4分の1を占めており、世代間で大きな差がある。
若い世代の認知度が高い理由としては、将来の年金不安も相まって追加で資産を作りたいと確定拠出年金制度が注目されていることや、職場での導入が進んでいることなどが考えられる。また、資産形成への関心自体が高まっていることも一因だろう。
確定拠出年金(DC)に約4割が加入
続いて加入率を見ていこう。70 歳未満では「企業型確定拠出年金に加入している」との答えが 20.5%、「iDeCo に加入している」は 20.8%。合わせて加入率は約4割となっている。iDeCoに関心がある人(加入検討含む)は19.1%と約2割。
年代別に見ると、50 代以下では企業型確定拠出年金、iDeCo ともに2割以上が加入している一方、60 代では「企業型確定拠出年金に加入していない」が3割を超える。ただし60代の中には加入していたが既に定年を迎え、受給を開始している人などもいるだろう。なおiDeCoへの関心は、年代が高まるにつれ薄れていく様子が見て取れる。最も関心が高いのは30代以下(27.3%)となっている(「加入検討」と「関心はある」の合計)。
確定拠出年金の加入状況(複数回答)(70歳未満)
※ 前回調査まで「加入していない」であった項目を今回調査から「企業型確定拠出年金に加入していない」「iDeCoに加入している」「iDeCoに加入していないが、今後加入を検討している」「iDeCoに加入していないが、iDeCoについて関心はある」「iDeCoに加入しておらず、iDeCoについて関心はない」に分割するなどの修正を行った。
毎月の掛金額「1万~3万円未満」が過半数
加入者の毎月の掛金額を見ていこう。調査によれば「2万〜3万円未満」が28.6%と最も多く、次いで「1万円〜2万円未満」が25.6%となっている。
確定拠出年金の毎月の拠出額(70歳未満確定拠出年金加入者)
これらを合わせると、「1万〜3万円未満」が54.2%と過半数を占めており、確定拠出年金の掛金のボリュームゾーンであることが分かる。中でも最多の金額帯である月額2万~3万円は、年額にすると24万~36万円に相当する。無理のない金額から資産形成を始めている人も少なくないことがうかがえる。
以上から確定拠出年金制度は特に若い世代を中心に認知が広がっており、加入者の多くは月に1万円から3万円程度を拠出していることが分かる。将来に向けた資産形成意識の高まりから確定拠出年金への注目度が高まっている今、自身が活用できそうな方法に注目してみるのもよいかもしれない。
●気になる掛金額は増やすのか。後編「確定拠出年金(DC)の掛金上限アップが決定、掛金額は「変えない?」「増やす?」、シニアと若者の意外な共通点が明らかに」にて詳報している。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の18 歳以上の有価証券保有者5000 人
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。