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バランス型が大規模設定で急増~2025年11月の投信動向~

2025/12/09 00:00

■要旨 11月は外国株式ファンドに加えバランス型ファンド、国内株式ファンドにもまとまった資金流入があり、ファンド全体への資金流入が4月以降で最大となった。 ■目次 ・バランス型、国内株式への資金流入増加 ・リスク抑制商品が定着するのか? ・国内株式には押し目買い ・外国株式ファンドはまばら ・バイオ・ヘルスケア

■要旨

11月は外国株式ファンドに加えバランス型ファンド、国内株式ファンドにもまとまった資金流入があり、ファンド全体への資金流入が4月以降で最大となった。

■目次

・バランス型、国内株式への資金流入増加
・リスク抑制商品が定着するのか?
・国内株式には押し目買い
・外国株式ファンドはまばら
・バイオ・ヘルスケアのテーマ型が好調2025年11月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入を見ると、11月も外国株式ファンドへの資金流入が引き続き顕著であった一方、バランス型ファンドや国内株式ファンドにもまとまった資金流入が見られた【図表1】。

バランス型ファンドには11月に3,200億円の資金流入があり、10月の1,000億円から2,200億円に急増した。これは、バランス型ファンドブームがサブプライム・ショックで収束した2007年9月以降で最大規模となった。この急増をけん引したのは、11月に新設された「ティー・ロウ・プライス キャピタル・アプリシエーション・ファンド」(【図表2】緑太字)である。この1本だけで1,900億円を集め、バランス型ファンド全体の流入額を押し上げた。

リスク抑制商品が定着するのか?

同ファンドは、約700億ドルの残高を有する米国籍ファンドと同様の戦略を採用し、米国株式や多様な米国債券で運用を行う。バランス型ではあるが、「リスクを抑え、米国株式と同等または上回るリターン」を目指すというコンセプトを掲げており、実質的にはアクティブ型の米国株式ファンド代替商品といえる。

昨今、米国株式の先行きに対する警戒感などからアクティブ型の米国株式ファンドは売却超過となっており、販売も低迷している。そうした状況下、リスクを抑える米国株式というコンセプトがオリジナルとなる米国籍ファンドの長期の運用実績と相まって、これまでアクティブ型の外国株式ファンドを選好していた層に受けたと見られる。

ただし、本家は総経費率が0.7%程度でノーロードであるのに対して、日本版は信託報酬のみで1.2%強でしかも購入手数料が最大で3.3%かかり、本家と比べるとコストが重い。特に年間0.5%の差は長期投資になればなるほどリターンを押し下げる要因となる。それでもリスクを抑えるというコンセプト自体に魅力を感じて日本でも資金流入が続き、米国のように定番商品に育つのか、販売会社が育てるのかにも注目したい。

国内株式には押し目買い

国内株式ファンドも1,900億円の資金流入があり、10月の900億円から1,000億円増加した。一般販売されている国内株式ファンドの中では、インデックス型に1,400億円の資金流入があり、増加が顕著であった。

11月は、日経平均株価が3月以来の月間での下落となり、しかも史上最高値を記録した10月末からの下落幅が一時4,000円に迫った。そのため押し目買いが入った形である。実際に1,400億円のうち1,100億円が日経平均株価に連動するファンドで占められ、日経平均株価に連動するファンドについては実に4月以来7カ月ぶりとなる純流入に転じた。

また、8月以降、純流入が続いているTOPIXに連動するファンドにも200億円の資金流入があった。TOPIX日経平均株価と異なり11月も史上最高値を更新するなど月間で上昇し、DC専用などで一部売却が出た様子である。そのため10月と比べると流入がやや鈍化したが、それでも安定して買付が入っているといえよう。

さらに、一般販売されているアクティブ型の国内株式ファンドでも2カ月連続の純流入となった。流入金額こそ400億円と10月の800億円から減少したが、10月はあくまでも大型の新規設定が寄与した面が強く、それを除くと実質的には流出超過であった。11月は新規大規模設定がなかったことを踏まえると、実質的には4月以来の流入超過といえる。

日経平均株価に連動するインデックス型と同様に押し目買いが入っただけかもしれないが、10月の新規大規模設定と合わせてアクティブ型の国内株式ファンドも見直されつつある兆候とも受け取れる。今後、TOPIXに連動するインデックス型と合わせて販売動向が気になるところである。

外国株式ファンドはまばら

外国株式ファンドは、バランス型ファンド、国内株式ファンドほど増加幅が大きくなかったが、11月に8,000億円の資金流入があった。10月の7,800億円からだと小幅な増加であったが、10月はSMA専用ファンドへの資金流入によって押し上げられており、一般販売に限ると600億円増加した。

もっとも、資金流入が増加したからと言って、10月から引き続き販売が堅調であったと言い切れない面がある。それは資金流入が増加したのは、一般販売されているアクティブ型の外国株式に限られていたためである。

実際にアクティブ型の外国株式ファンドには、11月に1,700億円の流入があり、10月の600億円から急増している。しかし市場環境を見ると、11月は月初に1ドル154円台から月末に156円台になるなど円安が進行した一方、世界的に株価は上旬から中旬にかけて下落し、特に米ハイテク株の下落が顕著であった。下旬には反発したが、基準価額が月中に下落した外国株式ファンドがほとんどであった。

そのため、人気のアクティブ型(【図表2】青太字)の販売が堅調であった面もあるが、それ以上に、月中の基準価額の下落により、10月よりも解約が出にくかったことが、アクティブ型全体への資金流入急増の要因になったと考えられる。

その一方で、一般販売されているインデックス型は6,200億円の資金流入と10月の6,700億円から500億円減少し、8月から続いていた増加が止まった。個別に見ても、流入上位のインデックス型3本(【図表2】赤太字)はいずれも10月から鈍化したことからもそのことがうかがえる。小幅な減少であり、依然としてインデックス型には大規模な資金流入が続いているものの、一部には月中の基準価額の下落を受けて投資を控える動きがあった可能性もあるだろう。

さらに、その他の資産クラスのファンドは一般販売されているものに限ると資金流出が続いていたが、10月よりも鈍化した。金関連ファンド(【図表2】黄太字)やSMA専用ファンドは10月よりも資金流入が減少したが、ファンド全体への流入は1兆5,200億円と10月の1兆2,500億円より2,700億円増加し、4月以降で最大となった。

バイオ・ヘルスケアのテーマ型が好調

11月は、バイオ・ヘルスケア系のテーマ型の株式ファンド(【図表3】赤太字)が高パフォーマンスを上げるものが多かった。