iDeCoの総加入者数は前年同月比34%増
iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の最新概況が2026年1月5日に国民年金基金連合会より発表され、2025年11月の新規加入者数は2万9724人(前年同月比134.7%)、加入者総数は380万297人(同109.3%)となった。
新規加入者数の内訳は、第1号加入者(自営業者等)が3888人(同94.0%)、第2号加入者(会社員・公務員)が2万4532人(同149.1%)、第3号加入者(専業主婦・主夫)が888人(同77.4%)。
iDeCo新規加入者数の推移(2025年11月)拡大表示
なお、iDeCoの全体の平均掛金額は1万6640円。内訳は第1号加入者が2万7308円、第2号加入者が1万5373円、第3号加入者1万4119円となっている。拠出限度額が高い第1号加入者が多い。
また、従業員のiDeCoに企業が掛金を上乗せ拠出するiDeCo+(イデコプラス、中小事業主掛金納付制度)は9602事業所(同113.5%)で実施、対象者数は6万992人(同113.1%)となった(2025年11月末)。
2026年が始まった。年始に確認しておきたい確定拠出年金の主な改正ポイントをざっくり押さえておこう。
2026年1月~:退職所得控除が「10年ルール」に
会社の退職金や確定拠出年金(iDeCo、企業型DC)の資産を一時金で受け取る際には、勤続年数(または加入年数)に応じて退職所得控除(受け取りの税金がかからない枠のこと)が活用できる。iDeCoなどのDC資産と会社の退職金を別々の年に受け取る際、勤続(加入)期間が重なっている分にそれぞれフルで控除を認めると税制優遇が二重にされてしまうため、計算を調整(制限)するルールがある。ただしこの調整ルールには、過去に受け取ってから一定期間が経過していれば、過去の期間はリセットして計算して良いという例外がある。その期間がこれまでの5年から10年に延びる。
iDeCoで考えると、これまではiDeCoの資産を受け取った後、5年経ってから会社の退職金を受け取れば、期間が重複していても会社の退職金に対してもフルで退職所得控除の枠を使えた。2026年1月からはこのリセット期間が10年に延びるため、iDeCo資産を受け取ってから10年経たないうちに会社の退職金を受け取ると、重複している期間の控除枠が差し引かれてしまい、税金が高くなる。
ただ、従来もこの5年ルールを活用できていたケースは少ないと推測される。具体的なケースは60歳でiDeCo資産を受け取り、65歳で会社の退職金を受け取るというもの。しかしこの場合、退職金を65歳で受け取ることが可能な会社となるため、あてはまるケースは限りがあると考えられるからだ。従来でもあまりないケースであったと想定されるため、10年ルールに変更されても影響がある人は限定的だろう。続いて、より多くの人に影響がある変更内容をチェックしていこう。
2026年4月予定:企業型DCのマッチング拠出制限の撤廃
企業型確定拠出年金(DC)では、会社がマッチング拠出制度を設けているケースもある。マッチング拠出とは、加入者自身が掛金を上乗せできる制度のこと。これまではその上乗せできる掛金額は企業が出す掛金額(事業主掛金)を超えることができなかった。この制限が2026年4月に撤廃される。
例えば、企業の掛金額が月額1万円だった場合、マッチング拠出で加入者自身が追加拠出できる掛金額も同じく月額1万円が上限となる。このケースでは確定拠出年金の月額上限額5万5000円の枠のうち、2万円までしか使えなかった。この制限が撤廃されることにより、上限枠をフル活用できるようになるメリットが受けられる。
2026年12月予定:iDeCo加入可能年齢「70歳未満」に引き上げ
従来、65歳未満までだったiDeCoの加入可能年齢が70歳未満までに引き上げられる。ただし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付を受け取っていないことが条件となる。運用益が非課税になるiDeCoを活用できる期間が延びることは加入中の人だけでなく、加入を検討している人にとっても朗報だろう。
2026年12月予定:iDeCoの掛金上限額が大幅アップ
iDeCoの掛金上限額は2026年の12月の改正で大幅に引き上げられる(適用は27年1月の引き落とし分から)。自営業者などの第1号被保険者は月額7万5000円、会社員・公務員など第2号被保険者は同6万2000円にアップする予定だ。
自営業者などは現行の6万8000円から7000円増となる。ただし、これまでと同様に付加年金または国民年金基金との合算枠である点には注意が必要だ。
会社員などで、企業型DCや確定給付企業年金(DB)などがない人は現行の2万3000円から3万9000円も上限額が引き上がる。一方、企業型DCやDBがある人は、それらの掛金額を6万2000円から引いた残りがiDeCoの上限額となる。このように、掛金の上限額である6万2000円はあくまで企業型DCやDBなどの制度の掛金額と合算した枠であることに気を付けたい。なおiDeCoと企業型DCのマッチング拠出は併用できない点にも注意が必要だ。
2026年はDCの利便性が飛躍的に向上する、効率的な資産形成の大きなチャンスとなる改正が目白押しだ。今一度、自身の拠出額や受取計画などを見直してはいかがだろうか。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。