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アジアの物価高で痛感…インフレの中で「日本円の預金だけ」のリスク、30代女性が実践する2つの対策【読者体験談】

2026/01/07 17:40

前編では、20代の頃ハイブランド品を「武装」として身につけていた佐藤美和さん(仮名)がベトナム移住を経て価値観が変わったこと、そして世界的なインフレを目の当たりにして危機感を抱いた経緯をお伝えしました。 後編では、佐藤さんがどのようにしてインフレ時代を乗り切る知恵を見つけたのか、彼女独自の「お金の使い方」についてご紹

前編では、20代の頃ハイブランド品を「武装」として身につけていた佐藤美和さん(仮名)がベトナム移住を経て価値観が変わったこと、そして世界的なインフレを目の当たりにして危機感を抱いた経緯をお伝えしました。

後編では、佐藤さんがどのようにしてインフレ時代を乗り切る知恵を見つけたのか、彼女独自の「お金の使い方」についてご紹介します。

●前編:「カッコつけなくてもいいんだ」都心でハイブランドに囲まれた30代女性、ベトナム移住で経験した“見栄”からの解放

インフレの現実が突きつけた危機感

2025年になり衝撃的な出来事がありました。ニュースでは連日「インフレ」「物価高」が叫ばれていましたが、私はそれを日本国内のスーパーの卵の値段ではなく、かつて暮らしたアジアの変化から痛感することになったのです。

日本に帰国後、久しぶりにベトナム行きの航空券とホテルを検索していた時、スマホを持つ手が止まりました。画面に表示された金額は、私の記憶にあるそれとは別物だったのです。

「高い……」

思わず声が出ました。ランチの価格も、滞在費も、かつて私が知っていた「安くて優しいアジア」はもうどこにもなかったのです。

その時、背筋が寒くなるような感覚を覚えました。大きな視点で見れば、これは「日本円の価値」だけの問題ではないのだと気付いたのです。

世界全体が成長してインフレが続く中、もし私が「日本円の預金」だけを握りしめていたらどうなるだろう? 相対的に私の資産は目減りし、あのベトナムで手に入れた「選択の自由」さえも維持できなくなるかもしれない。

「安い国ニッポン」に取り残されることへの確実な危機感。これが私のインフレ対策の原動力となったのです。

「背景を買う」という消費の新しい形

私のインフレ対策は、単なる「節約」という言葉では少し説明が足りません。あえて言うなら、「納得できるものだけに投票(購入)し、余力を未来へ送金(投資)すること」です。

まず、消費における対策。それは「背景を買う」ということです。象徴的なアイテムがあります。最近購入した、地元の作り手が手がけている「石鹸」です。

以前の私なら、ドラッグストアで特売のボディソープを何も考えずにカゴに入れていただろうと思います。しかし、値上げラッシュで日用品の価格が上がる中、私はあえて、一見すると割高なその石鹸を選びました。

琥珀色をしたその石鹸は、ハーブの野生的な香りがしました。作り手から直接話を聞く機会があったのですが、成分選びへのこだわりや、完成までの手間暇を聞くうちに、「この人の活動にお金を落としたい」と強く感じたのです。

どうせお金を使うなら、巨大な流通の中に消えていくよりも、自分の目が届く範囲で、顔の見える相手に経済を回したい。それは私なりの、小さな意思表示だったのです。

「本当に良いものを、ミニマムに使う」という哲学

そして実際に使ってみるとこれが最強の「インフレ対策」であることに気づきました。それは全身に使える石鹸だったのです。これ一つあれば、シャンプーも、洗顔料も、ボディソープもいらない。浴室には石鹸が一つあるだけ。

一回の購入金額は高くても、あれこれ買い揃える必要がなく、結果としてコストパフォーマンスは非常に高いものでした。おまけに、移動の多い生活をしている私にとって、液漏れの心配もなく気軽に持ち運べる固形石鹸は、旅先のアメニティを使わずに済むという点でも優秀です。ゴミも出ません。

「本当に良いものを、ミニマムに使う」

これが物の値段が上がり続ける時代に対する、私の足元の防衛策なのです。

投資は「自由への切符」

けれど、足元を固めるだけでは、今の時代の波を乗りこなすことはできません。日本円の価値が揺らぎ、世界規模で物価が上昇している今、私はもう一つの「意思表示」を行っています。それが、「投資」です。

石鹸を買うときは「地元の経済」を大切にしますが、資産管理においては「グローバルな視点」を持つようにしています。ベトナムで、日本とは違う時間の流れと成長の熱気を感じた経験があるからこそ、私は「日本円だけ」に依存することにリスクを感じるのです。

だから、日々の生活で無駄を省いて生まれた余力は、迷わず外貨や海外の株式に投資しています。投資信託を通じて、世界中の成長企業に資産を配分するようにしています。

それは、「お金を増やしたい」という欲求以上に、「世界の動きに遅れずについていきたい」という切実な思いからです。投資は、私にとって「防衛」であると同時に、「自由への切符」でもあるのです。どこへ行っても、どんな値段になっても、美しいと思ったものを迷わず選べる自分でいたい。そのための力を、私は世界中の市場から借りているのだと思います。

世界と自分をつなぐ新たな視点

投資を始めてから、世の中のニュースが他人事ではなくなりました。円安も各国の金利政策も、自分の生活に直結する出来事として捉えられるようになったのです。自分の資産を世界に開くことは、視野を世界に開くことと同義だと実感しています。

手元には、作り手の体温を感じる石鹸。スマホの中には、世界とつながるポートフォリオ。ミクロな視点で地域を愛し、マクロな視点で世界を見据える。この二つのバランスこそが、私がたどり着いたインフレ対策なのです。

節約のために歯を食いしばるのではなく、自分の価値観で選び取った「心地よい最適解」を積み重ねていくこと。「お金の使い方は、生き方の意思表示」をモットーに、私はこれからも人生を豊かにしてくれる選択に、清き一票を投じ続けていきたいと思います。

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佐藤さんの体験談からは、物価高やインフレという厳しい現実に対して、ただ我慢するのではなく、自分の価値観に沿った選択をしていくことで、心の豊かさも手に入れられるという希望が感じられます。誰もが参考にできる、シンプルでありながらも深みのある生き方ではないでしょうか。

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「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。