■要旨
12月は外国株式ファンド、国内株式ファンド、バランス型ファンドの販売が総じて堅調であった。特に外国株式ファンドについては、年末の駆け込み買付が流入を押し上げた可能性がある。
■目次
・インデックス型の外国株式ファンドへの流入が急増
・急増は年末駆け込み買付が要因か
・国内株式も4月以来の流入規模
・中国株式ファンドが好調2025年12月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入を見ると、外国株式ファンドに1兆400億円の資金流入があった【図表1】。11月の8,000億円から2,400億円増加し、3月以来となる9カ月ぶりに1兆円の大台に乗った。



この12月で新NISAとして拡充されてから丸2年が経過した。新たに1,800万円の非課税保有限度枠が設定されたが制度自体は恒久化されたため、旧制度のように慌てて年間投資枠を使い切る必要性は乏しくなっている。こうした背景もあり、1年目となった2024年は12月に駆け込みで買い付けるような動きがあったと思われるが、旧制度ほど投信市場では見られなかった。
中心商品となっているインデックス型の外国株式ファンドの資金動向を見ても、2024年12月の流入額は下半期の中で最大であったものの、上半期と比べると小規模であった。また、グローバル株式ファンドは下半期通じてほぼ横ばいで、11月、12月と米国株式ファンドのみ増加していた。年末を意識した買付というよりは、トランプ米大統領に対する期待感から買付が増えた面が大きかったと考えられる。それに対して、2025年12月はオルカンに象徴されるようにインデックス型のグローバル株式ファンドへの流入も増加した。そのことを踏まえると、2年目は1年目よりも年末駆け込み買付が活発だったことが示唆される。
NISA口座は2025年6月末で2,696万口座と1年前と比べて1割強にあたる270万口座増加した。一方で上半期の成長投資枠からの買付額は2025年が7兆4,300億円と2024年の7兆9,100億円と口座が増加したにもかかわらず、鈍化していた。投資信託に限っても2025年は3兆6,200億円と2024年の3兆9,200億円から減少し、同じ傾向であった。
2025年は、年初に成長投資枠からの買付が2024年以上に活発であった。しかし、それ以降はトランプ米大統領の関税政策の動向に右往左往させられるなど不透明感が高かったこと、さらに株価が上昇し過熱感が意識されたこともあり、買付を控える人が多かったと推察される。そのため、年末駆け込み買付が活発になった可能性があるだろう。結果的に2025年は年末に慌てて買付をせず、それ以前に買付けた方が収益を得られた可能性が高い。そのことを踏まえると年間投資枠を使い切るならば年初早めに活用する動きがより活発になることも考えられ、3年目となる2026年のNISA口座の活用傾向が注目される。
12月は、国内株式ファンドにも2,200億円の資金流入があり、4月の2,500億円以来の規模であった。特に一般販売されているアクティブ型への流入が1,500億円に達し、中小型株ファンド人気が一服した2018年4月以降で最大を記録した。
アクティブ型への大規模流入は、12月に新規設定された「資本効率化フォーカス・ジャパン」が600億円に迫る資金を集めたことが大きかった。ただし、それ以外のファンドにも900億円の資金流入があり、新規設定1本のみでは決してなかった。さらに一般販売されているインデックス型にも、TOPIXに連動するファンドを中心に400億円の資金流入があった。
国内株式自体は12月もTOPIXが史上最高値を更新するなど、必ずしも国内株式ファンドが販売しやすい状況ではなかった。国内株式ファンドにもNISA口座からの年末駆け込み買付があったかは定かでないが、いずれにしても非常に販売が堅調であったといえよう。
また、バランス型ファンドにも12月に2,100億円の資金流入があった。11月の3,100億円からは鈍化したが、11月は1,900億円集めた新設ファンドによって膨らんでおり、12月はバランス型ファンドについても販売が堅調であったと見受けられる。その他、金関連ファンドなどにも資金流入が続いていた。

