iDeCoの総加入者数は前年同月比8.1%増
iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の最新概況が2026年2月2日に国民年金基金連合会より発表され、2025年12月の新規加入者数は3万5263人(前年同月比48.9%)、加入者総数は382万6511人(同108.1%)となった。
新規加入者数の内訳は、第1号加入者(自営業者等)が4068人(同91.2%)、第2号加入者(会社員・公務員)が2万9808人(同45.1%)、第3号加入者(専業主婦・主夫)が952人(同75.3%)。
新規加入者数を前年同月比で見ると、全体と第2号加入者で半減している。その理由は2024年12月にiDeCoの制度内容が2点、改正されたことにある。1点目は加入者掛金上限額の引き上げ。確定給付企業年金(DB等※)加入の会社員、公務員の掛金の拠出限度額が1万2000円から最大2万円※※へと拡大した。
※確定給付企業年金(DB)、厚生年金基金、私立学校教職員共済制度、石炭鉱業年金基金、公務員の退職等年金給付(共済)※※DB等の他制度掛金相当額と企業型DCの事業主掛金額の合計額が3 .5万円以下の場合
2点目が事業主証明書の廃止。iDeCoに加入する際に勤務先に証明書を発行してもらわなければならなかったが、改正によりその必要がなくなった。この2点により加入者の利便性が向上したため、加入者数が大幅にアップした。その反動が前年同月比の結果として現れた格好だ。
iDeCo新規加入者数の推移(2025年12月)拡大表示
なお、iDeCoの全体の平均掛金額は1万6642円。内訳は第1号加入者が2万7261円、第2号加入者が1万5384円、第3号加入者1万4086円となっている。拠出限度額が高い第1号加入者が多い。
また、従業員のiDeCoに企業が掛金を上乗せ拠出するiDeCo+(イデコプラス、中小事業主掛金納付制度)は9688事業所(同113.5%)で実施、対象者数は6万1554人(同112.9%)となった(2025年12月末)。
老後資金を増やせる可能性があるなら増やしたいと考える人は多いだろう。今年はiDeCoの掛金上限額だけでなく、加入可能年齢の上限も引き上げられる予定だ。その分、iDeCoに積み増せる可能性が広がる。
2026年12月の改正で70歳までiDeCoに積立可能に
iDeCoは2026年12月の改正で、加入可能な年齢上限が70歳未満にまで引き上げられる。具体的には下図のとおりとなる。iDeCoの加入者、運用指図者、企業年金(DB、DC等)からiDeCoに資産を移管するいずれかの人で、かつ国民年金被保険者ではなく、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていない、企業型DCのマッチング拠出を行っていないなどの条件がある。
改正により、70歳になるまで掛金を積み立てられるようになる。これを機に老後資金を増やせないかと思いを巡らせる人もいるのではないか。そこで60歳を超えてからのiDeCoの積み立てシミュレーションをいくつか考えてみよう。まずは上記の引き上げ対象者の場合の掛金限度額6万2000円を70歳になるまで毎月積み立てた場合、次のとおりとなる。
<60歳から10年間、iDeCo上限額まで拠出した場合>
・掛金:月額6万2000円
・積立年数:10年…60歳から70歳になるまで
・運用利回り:4%…GPIFの過去24年間の実質的な運用利回り※
・結果:910万円*
※名目運用利回り-名目賃金上昇率(出所:GPIF「年金積立金の運用目標」)
*金融庁つみたてシミュレーターよりFinasee編集部試算
なお、運用利回りはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人:日本の年金積立金を運用する機関)の過去の数値を参考にしている。2001年度からの24年間の実質的な運用利回りの平均である3.99%から、切りよく4%としているが、将来を約束するものではないのであくまで参考値ととらえてほしい。なお上記条件で65歳から5年間積み立てる場合のシミュレーションは410万円となる。
ところで60歳から10年間、6万2000円を出し続けることは難しいという人もいるはずだ。そこでiDeCoの掛金拠出の最低額である5000円を毎月10年間、掛け続ける場合で見てみよう。
<60歳から10年間、iDeCo最低掛金額で拠出した場合>
・掛金:月額5000円
・積立年数:10年…60歳から70歳になるまで
・運用利回り:4%…GPIFの過去24年間の実質的な運用利回り※
・結果:73万円*
※名目運用利回り-名目賃金上昇率(出所:GPIF「年金積立金の運用目標」)
*金融庁つみたてシミュレーターよりFinasee編集部試算
同様に上記条件で65歳から5年間積み立てる場合のシミュレーションは33万円となる。
60歳以降の自身の懐具合はまだ分からないという人も多いだろう。様々な可能性を念頭に置きながら、iDeCo活用の道もあることを選択肢の一つに入れてはいかがだろうか。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。