NISA・クレカ積立を始めたい

資産形成を始めたいが…どっちにすべき?新NISAとiDeCo、2つの「税制優遇制度」の違い【新NISA編】

2026/02/13 13:00

2024年の新NISAの開始やiDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)の制度拡充により、個人で利用できる税制優遇制度を活用した資産形成の選択肢が広がっている。 しかし、両制度の違いがよくわからないという人も多いのではないだろうか。この記事では、新NISAとiDeCoという2つの制度について、その共通点と相違点を整理し

2024年の新NISAの開始やiDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)の制度拡充により、個人で利用できる税制優遇制度を活用した資産形成の選択肢が広がっている。

しかし、両制度の違いがよくわからないという人も多いのではないだろうか。この記事では、新NISAiDeCoという2つの制度について、その共通点と相違点を整理しながら、それぞれの特徴を解説していく。

通常、投資で得た利益には税金がかかるが…

NISAiDeCoは、いずれも国民の資産形成を支援するために国が設けた制度である。この2つに共通するのは、税制面での優遇措置が講じられている点だ。

通常、投資によって得た利益には約20%の税金が課されるが、これらの制度を利用すれば、税負担を軽減できる点は共通している。投資がうまくいって利益が出ても、税金がかかずまるまる受け取れる仕組みになっているというわけだ(iDeCoにはこのほかにも税制優遇制度がある 関連記事『毎月いくらから始められる?併用は可能?iDeCoと新NISA、2つの「税制優遇制度」の違い【iDeCo編】』)。

ただし同じ税制優遇制度でありながら、細かいルールは異なる。例えば「利益が出たからお金を引き出したい」と思ったとき、新NISAでは基本的に自由なタイミングで引き出し可能だが、iDeCoでは原則60歳以上にならないとお金を引き出すことはできない。

これは新NISAは比較的幅広い目的に合わせた投資制度として設計されているのに対し、iDeCoは老後資金の準備に特化した私的年金制度として位置づけられているためだ。この根本的な違いが、制度の詳細な設計にも反映されている。まずは、新NISAについて詳しく見ていこう。

2024年に大きく変わった新NISA

NISAは、2014年にスタートした少額投資非課税制度が2024年に抜本的に改正されたものである。イギリスのISA制度をモデルに設計された日本版として、NISAという愛称が付けられた経緯がある。先述の通り、この制度の最大の特徴は、運用で得た利益に税金がかからない点だ。

2024年からの新NISAでは、制度設計が大幅に見直された。最も大きな変更点は、非課税保有期間(利益に税金がかからずに投資商品を持ち続けられる期間)が無期限になったことである。従来のつみたてNISAでは20年間、一般NISAでは5年間という期限が設けられていたが、新制度ではこの制限が撤廃された。また、制度そのものも恒久化されたため、投資家はより長期的な視点で資産運用に取り組めるようになった。

なお、iDeCoは加入から原則65歳になるまで資産形成を行うことが可能だ(2026年12月の改正でさらに延長され、70歳になるまで積立可能となる予定)。

つみたて投資枠と成長投資枠

NISAのもう1つの大きな変更点は、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になったことである。従来は、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方を選択する必要があった。しかし新制度では、つみたて投資枠で積立投資を継続しながら、同時に成長投資枠で個別株式などに投資することも可能になった。

1年間の投資上限額(年間投資枠)も大幅に拡大された。つみたて投資枠は年間120万円で、これは従来のつみたてNISAの3倍にあたる。成長投資枠は年間240万円で、従来の一般NISAの2倍である。両枠を併用すれば、合計で年間360万円まで投資できる計算になる(iDeCoの年間上限は24万円~81.6万円*、上限額は2026年12月に改正予定。 *…職業等により異なる)。

投資可能な商品にも枠ごとに違いがある。つみたて投資枠では、金融庁の基準を満たした投資信託に限定されている。これは長期の積立投資や分散投資に適した商品として選定されたものだ。一方、成長投資枠では個別株式や投資信託ETF(上場投資信託)など、より幅広い金融商品が対象となる。

なお、iDeCoでは個別株式に投資することはできず、投資信託・保険・定期預金に積立が可能だ(取扱商品は金融機関ごとに異なる)。ただし、「株式が投資対象の投資信託」を購入すれば間接的な株式投資が可能であることは覚えておこう。

生涯「1800万円」非課税保有限度額の新設

NISAでは、生涯を通じての非課税保有限度額が新たに設けられた。総枠として1800万円が上限となり、そのうち成長投資枠は1200万円が上限となる。この限度額は簿価、つまり購入時の金額をもとに計算される点に注意が必要だ。

特筆すべき点は、この非課税保有限度額が再利用可能になった点である。保有している商品を売却した場合、翌年以降、売却した商品の簿価分だけ非課税投資枠が復活する。たとえば、100万円で購入した商品を売却すれば、保有時の時価が80万円であっても120万円であっても、翌年には100万円分の枠が復活する仕組みだ。これにより、投資戦略の柔軟性が高まった。

NISA口座を開設できるのは、日本国内に住んでいる18歳以上の方である。口座は1人につき1口座のみ開設可能で、金融機関の変更は年単位で行える。開設には本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要となり、税務署で二重口座でないことが確認される。金融機関によって取扱商品等が異なるため、自身の投資方針に合った金融機関を選ぶことが重要だ。

●新NISA解説を中心にiDeCoとの違いを解説した。iDeCoについては後編『毎月いくらから始められる?併用は可能?iDeCoと新NISA、2つの「税制優遇制度」の違い【iDeCo編】』にて詳説する。

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。