銀行のお客様には数多くの富裕層がいますが、真の富裕層の見た目は意外と地味です。また、お金の使い方も意外と地味で、周囲に「ケチ」と呼ばれるほどの節約家も少なくありません。
その実例として、多くの富裕層が節約する意外なものを4つご紹介します。
1 ATM手数料
富裕層は1円でもムダなお金を払うことを嫌います。その一つがATM手数料です。特に時間外のATM入出金手数料の節約は徹底しています。
たとえば、
・平日日中の手数料がかからない銀行でATM入出金を行う
・手数料が発生する時間帯(夜間や休日など)にはATMを絶対利用しない
・現金の使用およびATM入出金回数を最小限にとどめる
などは富裕層には当然の行動です。
ATM使用1回あたりの手数料は110円~330円の少額ですが、それが累積すれば大きな金額を失います。それをよく理解している富裕層は、本来払う必要のないムダなATM手数料を徹底的に節約します。
2 自販機の飲み物代
ムダな支出を嫌う富裕層が節約するものはまだあります。「定価」で販売されている自販機の飲み物代です。
自販機の飲み物の多くは、スーパーや100均などの他店の定価よりずっと安く買えます。そのため、富裕層は少しでも安く買えるお店で飲み物を買い、定価との差額を貯蓄や他の支出に充てます。
また、富裕層の中には外出先で飲み物を買うお金を節約するため、外出時にマイボトルを持参する人も多いようです。
そのような心がけで、少しでもムダな支出を減らす努力を怠らないのも富裕層の特徴です。
3 コンビニの商品代金
コンビニを利用しない富裕層も多くいます。コンビニ商品の大半が定価または他店より高額であることが主な理由です。
知り合いの富裕層の中には「宅配便の発送以外の用事でコンビニには行かないなぁ」と言う人もいます。
もちろん、限定商品など本当に欲しいものがあればコンビニに足を運ぶかもしれませんが、他店でもっと安く買える商品をわざわざコンビニで買うことはまずありません。少しでもムダな支出を抑え、自分にとって大事なものにお金を使おうとしているようです。
4 コーヒーショップの飲み物代(ラテマネー)
「ラテマネー」と呼ばれるコーヒーショップの飲み物代も、極力節約するのが富裕層です。たまにコーヒーショップに足を運ぶことはあっても、決してそれを常態化させることはありません。
1回あたりの「ラテマネー」はコンビニでも最安で110円、コーヒーショップチェーンは最安300円前後です。少し飲み物のグレードを上げれば「ラテマネー」が500円を超える場合もあり、1回でも地味に痛い支出となります。
そのような支出を繰り返せば、家計を圧迫するレベルの大きな支出になってしまいます。
富裕層はそのことをよく知っているからこそ「ラテマネー」を節約し、本当に必要なものに自らのお金を使います。
富裕層は「チリツモ支出」を嫌う
1回あたりのムダ遣いで失った金額が少額でも、それを何度も繰り返せば高額の損失となってお金を貯められない原因となります。
それをよく知っているから富裕層は「チリツモ支出(少額の支出の積み重ね)」を嫌い、少しでもムダな支出を減らそうとします。
そのような堅実な考え方や行動を見習えば、私たちも富裕層への第一歩を踏み出せるかもしれません。
文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。
(2022年4月24日公開記事)