国税庁が行った民間給与実態統計調査によると、2020年の年間を通して勤務した給与所得者の平均年収は433万円でした。これは、2010年の同調査、412万からさほど変わっていません。そこで今回は、長い間およそ日本の平均である年収400万円のサラリーマンがもらえる年金受給額について紹介します。
サラリーマンがもらえる年金とは?
まずはサラリーマンの年金制度について見ていきましょう。会社に勤めているサラリーマンの年金制度は、日本に住む20歳以上の人すべてが加入する国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
厚生年金の保険料は、毎月の給料によって保険料率が決まっており、勤務先と本人が半額ずつ負担するものです。この保険料には国民年金の分も含まれています。
将来の年金受給月額は?厚生年金の加入期間が40年の場合
ここからは、年収400万円の方の毎月の年金受給額について見ていきましょう。シミュレーションでは、厚生年金を満額で受け取れる加入期間が40年の場合と、30年の場合を比較します。
まずは40年の場合を見てみましょう。
2022年4月分からの毎月の国民年金額は満額の場合、6万4,816円です。金融機関の年金シミュレーションを用いて毎月の厚生年金額を算出すると、年収400万円の方は7万2,000円ほどでした。つまり毎月の年金額は、約13万7,000円になります。
厚生年金の加入期間が30年の場合の年金月額
次に、年収400万円、厚生年金の加入期間30年の場合でシミュレーションをしてみます。すると、厚生年金が約5万3,000円となり、国民年金と合わせると約12万円になりました。
同じ年収でも加入期間が短くなることで、毎月約1万7,000円も少なくなくなることが分かります。1年で20万円以上違うため、なかなか大きな金額と言えますね。
毎月の年金額を増やすなら年収と加入期間を増やそう
将来受け取る年金月額を「少しでも増やしたい」と思うのであれば、老後に向けた資産運用もひとつの方法です。しかし、まずは年金を満額受け取れるように、加入期間を増やしたり年収アップを考えたりすることから始めてみましょう。手元に毎年届く「ねんきん定期便」で、加入期間がどれくらいなのか、自分の将来受け取る年金額はいくらなのかチェックしてみてください。
文・山村望愛
(2022年5月17日公開記事)