2月相場を振り返って
2022年2月24日、ロシア軍がウクライナへ侵攻──。
1月に大きく下落し、2月は反発しかけていましたが、地政学リスクを織り込んで下落。日経平均株価は1月につけた安値を割り込み、25,775円の安値をつけてしまいました。その後、停戦交渉の報道などもあり反発はしましたが、実際にどうなるかは不明のまま2月が終わりました。
不安の残る3月相場に向けて、生き残るために、しっかりと振り返りをして備えておきましょう。
指数 | 1月終値 | 2月終値 | 騰落率 |
日経平均株価 | 27,002円 | 26,526円 | −1.76% |
TOPIX | 1,896ポイント | 1,886ポイント | −0.52% |
マザーズ指数 | 758ポイント | 725ポイント | −4.35% |
2月相場で上がった株・下がった株
そんな2022年2月の相場を売買代金と値上がり率・値下がり率のランキングで振り返ってみたいと思います(太字はピックアップ銘柄/データ提供:CMBトレード塾)。
・2022年2月の売買代金トップ20
・2022年2月の値上がり率トップ20
・2022年2月の値下がり率トップ20
2月相場でプロが気になった銘柄
この中から、私・窪田が気になった銘柄をピックアップしてみます。
・売買代金ランキング
- 第1位:レーザーテック<6920>………2.97兆円
- 第4位:東京エレクトロン<8035>……1.24兆円
昨年2021年まで3年以上にわたり大きく上昇してきた「半導体」関連銘柄ですが、1月にピークを付けてから下落が止まりません。東京エレクトロンは踏みとどまっていますが、レーザーテックは引き続き下落してしまっています。
「業績が良くても、株価は下落する」
しっかりと覚えておいてください。
- 第2位:日本郵船<9101>……2.1兆円
- 第7位:川崎汽船<9107>……1.01兆円
- 第8位:商船三井<9104>……9,906億円
全体が大きく下落し、日本の隣国ロシアが戦争を始めたにもかかわらず堅調に推移したのが、「海運」の邦船3社です。業績が良く、配当利回りも高いうえに増配期待もあり、じわりじわりと上昇をしています。3社とも3月には昨年付けた高値を超えてくるかもしれません。それくらい勢いがあります。
是非、しっかりと監視して、チャンスがあれば活かしてほしいなと思います。
・値下がり率ランキング
- 第1位:ネットプロテクションズホールディングス<7383>……−53.4%(1,208円→562円)
BNPLという単語をご存じでしょうか。Buy Now Pay Laterの頭文字をとってBNPL。
つまり「後払い」のことなんですが、消費者には金利も手数料もかからず、費用は販売店や加盟店が「広告費の代わり」に払うため、高額なものでも売れやすい! そしてクレジットカードが作れない人や若者でも利用できる! ということで世界中で注目が集まっています。
世界では、アメリカの「Affirm(アファーム)」、オーストラリアの「AfterPay(アフターペイ)」、スウェーデンの「Klarna(クラーナ)」という3社が大きな収益を上げています。また、日本の「paidy(ペイディ)」はアメリカの「PayPal(ペイパル)」に3000億円で買収されました。
そんななか、大きな注目を浴びて昨年末に上場したのが、ネットプロテクションズです。
何を隠そう、私もIPOを申し込んで初当選しました! 1,450円の公募価格でいくら儲かるかワクワクして上場当日を迎えましたが、初値は1,378円と−4.97%(公募割れ)。その後1,698円まで上昇しましたが、世界的なグロース株売りに押されて2月は562円まで下げました。
下げた時点での時価総額は550億円ほど。同業他社が3000億円なら、IPOで期待の大きい同社ならある程度は上昇するのでは?と思っていたのですが、全然ダメでした。すぐにロスカットし、1万円弱のマイナスとなりました。
普段はIPOには手を出さないのですが、BNPLという流行り言葉に乗ってしまい、失敗してしまいました。でも、ここから学べることはたくさんある、と思いピックアップしました。
「いいサービス、いい企業だからといって株価が上がるとは限らない」
気をつけてください。
トレードしていてよかった
この原稿を書いている2月28日深夜、まだウクライナは戦禍にあり、ロシアと戦っています。実効支配して領土に加えようとしているロシアのこの行動の着地次第では、北方領土問題を抱えるロシアの隣国、日本にとっても他人事ではありません。
こんなときにつくづく思うのは、トレードができると、こういうときに本当に心強いなということです。土地を離れてもトレードはできるし、そこで得た利益で人を救うこともできる。
リーマンショックや東日本大震災、コロナに戦争。本当にいろんなことがあります。その度に、本当にトレードに救われたと感じています。トレードしていてよかった。
すべての人がトレードをやるべきとは思いませんが、少しでも興味があるのであれば、こんなときだからこそ、トレードというものに向き合ってみてほしいなと思います。
1か月後、平和な世界でコラムが書けることを願って。
(2022年3月1日公開記事)